2003年3月15日号
薬剤師養成「修業年限6年」を確認
〜自民党 薬剤師教育検討チーム
病院内の処方せん送信ファクスコーナー廃止を決定
〜日本薬剤師会
処方せん受取率は全国平均48.8%、全国トップの秋田県では71%
〜日本薬剤師会「保険調剤の動向(平成14年10月全保険分)」
肺がんによる死亡が多いのは、男性では沖縄県、女性は大阪府
〜厚生労働省「都道府県別死因の分析結果について」
自民党薬剤師問題議員懇談会の「薬剤師教育検討チーム」は、薬剤師養成に必要な修業年限を現行の4年から6年に改める方針を確認した。厚労省側でも、薬剤師国家試験受験資格を6ヵ月以上の実務実習を含む6年の教育修了者に与える方針にあることを説明している。これによって、6年間の修業をもって薬剤師国家試験受験資格とすることが事実上、決まったことになる。ただし6年一貫制とするか、学部と大学院に分けた4+2年制にするかの結論は先送りされている。また実施時期等も明らかにされていない。
日本薬剤師会は、都道府県薬剤師会や支部薬剤師会が、処方せんを薬局に送信するために、医療機関に設置しているファクスコーナーを基本的に廃止する方針を決めた。分業率の全国平均が50%近くに達し、面分業がある程度普及したことや、特定の薬局への患者誘導などの弊害が指摘されていたことへの対応。ファクス送信の見直しについて都道府県薬剤師会に通知し、廃止を促すとともに、廃止までの経過期間中の注意事項を示した。
日本薬剤師会が2月27日に発表した保険調剤の動向によると、2002(平成14)年10月分の処方せん枚数は対前年同期比99.96%の4970万 975枚、処方せん受取率は同3.9ポイント増の48.8%だった。件数は3157万7334件(対前年比105.1%)、調剤点数は294億5944万 6000点(同106.1%)。処方せん受取率が最も高い秋田県は、初めて70%台に達した前月(受取率70.0%)に引き続き、今月も71.0%と伸びが続いている。
厚生労働省老健局は3月7日、(1)脳血管疾患、(2)心疾患、(3)糖尿病、(4)胃がん、(5)肺がん、(6)子宮がん、(7)乳がん、(8)大腸がん――について、都道府県別・男女別の標準化死亡比(※注)を死亡率が高い順にグラフ化し発表した。全国平均より死亡率が高いのは、肺がんは男性が沖縄県(121.5)、女性が大阪府(127.9)、胃がんは男性が秋田県(129.7)、女性が富山県(126.2)、心疾患は男性が青森県(122.5)、女性が和歌山県(111.3)など。
(※注)標準化死亡比:基準死亡率(人口10万対の死亡数)を対象地域に当てはめた場合に、計算により求められる期待される死亡数と実際に観察された死亡数とを比較するもの。日本の平均を100とし、標準化死亡比が100以上の場合は日本の平均より死亡率が多く、100以下の場合は死亡率が低いと判断される。