2003年7月1日号
後期高齢者人口が1000万人を突破、高齢者人口の4割超に
〜総務省「平成15年版 高齢社会白書」
薬局・薬店以外での医薬品販売、年内に解禁へ
〜経済財政諮問会議「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」原案
疲労蓄積度自己診断チェックリストを公開
〜厚生労働省
負担増による治療中断は高血圧症がトップ
〜全国保険医団体連合会
総務省は6月10日、「平成15年版高齢社会白書」をまとめた。白書によると、平成14年10月1日現在の65歳以上の高齢者は2363万人に上り、総人口に占める割合(高齢化率)は18.5%に達した。このうち、65〜74歳の前期高齢者は1359万人、75歳以上の後期高齢者は1004万人で、後期高齢者人口が1000万人を突破したのは今回が初めて。後期高齢者は、65歳以上の高齢者のうち42.5%を占める。
また、平成12年度の社会保障給付費のうち、高齢者関係給付費(年金保険給付費、老人保健(医療分)給付費、老人福祉サービス給付費および高年齢雇用継続給付費)は53兆1982億円(68.1%)で、前年度より1ポイント増となった。これらの内訳は、年金保険給付費が39兆1729億円、老人保健(医療分)給付費が10兆3469億円、老人福祉サービス給付費が3兆5698億円など。
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2003/zenbun/indexz.html
政府の進める規制改革12項目のうち、調整が難航していた「医薬品の一般小売店における販売」を盛り込んだ「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(骨太の方針・第3弾)の原案が6月18日の経済財政諮問会議で決定した。
17日の3者協議で最終結論が持ち越され、小泉首相に決断が委ねられた一般小売店での医薬品の販売については、「安全上特に問題がないとの結論に至った医薬品すべてについて、薬局・薬店に限らず販売できるようにする」と明記、年内にコンビニエンスストアなどでも医薬品の販売ができる見通しとなった。ただし、「医薬品」のまま販売するのか、「医薬部外品」に再分類して販売するのかは決まっておらず、厚労省がそれらも含めて検討に入る。
http://www5.cao.go.jp/shimon/2003/0618/0618agenda.html
厚生労働省は、働く人が疲労蓄積度を自分自身で判定するためのチェックリストを試作し、ホームページ上で公開した。
同省では平成14年2月に「過重労働による健康障害防止のための総合対策」を策定し,時間外労働の削減と一定時間以上の時間外労働を行わせた場合の健康管理措置の徹底について周知を図ってきた。本チェックリストはその一環として試作された。
チェックリストは,今後,さらに,チェックの方式,項目,判定方法などについてチェックリスト作成委員会において,引き続き検討を続ける予定。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/05/h0520-3.html
全国保険医団体連合は、被保険者の窓口負担の増加に伴う影響度調査を行った。医療機関調査では、本年4月分の診療報酬の外来請求で、患者数(件数)が前年同月と比べて「減った」という回答が、医科で68.9%、歯科で64.6%だった。
減少割合は1割未満が医科36.9%、歯科31.9%、1割から2割未満が医科37.7%、歯科37.6%となっている。
また4割を超える医療機関が、患者負担増が原因と思われる受診や治療の中断が「あった」と回答。中断のあった主な疾病として中断のあった主な疾患は「高血圧症」が148件、「高脂血症」124件、「歯周病」105件、「糖尿病」88件だった。
また受診や治療を控えたと思われる患者向けの調査では、受診していた疾患は「高血圧症」が104件、「糖尿病」が39件、「歯周病」が43件との回答となっている。今後どうするかを聞いたところ、「受診回数を減らす」が93件(25.1%)、「よほど悪くなったら受診する」が78件(21.0%)であった。
調査実施時期は5月9日〜20日。回収数は、医療機関1296件(医科835件33.6%、歯科461件26.6%)、患者329件。
http://hodanren.doc-net.or.jp/