2003年10月1日号
100歳以上人口が初めて2万人を突破
〜厚生労働省「平成15年度100歳以上長寿者について」
薬学教育、実務実習を義務化し6年間学部教育制へ
〜厚生労働省「薬剤師養成問題検討会 中間報告書」
第4次医療法改正に伴う病床区分の届出、「旧その他病床」の9割が「一般病床」へ
〜厚生労働省「医療法等の一部を改正する法律附則第2条に基づく届出の結果について」
OTC薬の副作用で死亡の疑い3年間で10人
〜厚生労働省
「安全な」医薬品の振り分け検討会始まる
〜厚生労働省
「鳳凰軽身痩」を飲用しないよう呼びかけ
〜厚生労働省
2003年9月末までの国内の100歳以上の高齢者は、昨年より2627人増加して2万0561人に達することが、9月9日の厚生労働省の発表で明らかになった。100歳以上の人口は増加傾向にあり、男女ともに1970年以来33年連続で過去最高を更新。男女別では女性のほうが圧倒的多数で、1万 7402人と全体の84.6%を占めている。
2003年度中に100歳となる人は1万699人(9月1日現在)。最も多いのは東京都の997人で、以下、北海道の345人、兵庫県の302人などが続く。最も少ないのは秋田県の65人で、男性9人、女性56人だった。
厚生労働省の薬剤師問題検討会は9月10日、薬剤師国家試験受験資格や長期実務実習についてまとめた中間報告書を公表した。その中で、最低6カ月間の実務実習を含む6年間の学部教育の必要性が強調された。実務実習については、病院での実習期間の延長および受入薬局の確保などが課題に挙げられた。
同検討会では、6年一貫教育とする他に、薬学教育が研究者等の養成に果たす役割もあることから「4年間の学部と2年間の修士課程」も選択できるようにするべきとの意見もあり、最終結論は座長預かりとなった。
厚生労働省は9月12日、2001年3月1日に施行された第4次医療法改正に伴う病床区分の届出状況について、届出が必要な全病院についての集計がまとまったことを明らかにした。第4次医療法改正で、病院の「旧その他病床」は「療養病床」か「一般病床」かを選択し、8月末までに届出することとされていたが、同日が日曜日であったため、9月1日まで届出が受理された。
同省によると、9月1日までに届出されたのは「一般病床」92万2787床(72.7%)、「療養病床」34万6170床(27.3%)の計126万 8957床。2000年10月1日現在の「旧その他病床」は102万2913床あり、「旧その他病床」の9割が「一般病床」を選択した。「一般病床」の割合が最も高いのは山形県(85.3%)、最も低いのは高知県(48.2%)で、四国・九州地方では香川県と大分県を除くすべての県が全体(72.7%)より低い割合となった。
厚生労働省は、薬局・薬店で購入できる一般用医薬品(OTC薬)で、2000年4月から今年6月までの3年余の間に、副作用が疑われる死亡例として、製薬企業等から8製品で10名について報告を受けたことを明らかにした。
答弁書などによると、発毛剤「リアップ」(成分名・ミノキシジル)を使用後、亡くなった男性が3人いたとの報告があった。因果関係は不明で、厚労省も副作用によるものとの考えには否定的。同薬は1999年末には外箱の説明書に狭心症、高血圧の人は注意するよう表示する措置がとられている。
ほかに総合感冒薬や鼻炎薬を使い、アレルギー性の発作のアナフィラキシーショックや、重い皮膚障害を起こして死亡した人は6人。肝硬変の女性が肝臓の働きをよくする漢方薬「小柴胡湯(しょうさいことう)」を飲み、間質性肺炎を起こして亡くなった例も1件あった。
6月の閣議決定で「安全上特に問題がない」医薬品を薬局以外でも販売できるようにする「医薬品販売の規制緩和」に関連し、厚生労働省はコンビニエンスストアなどの一般 小売店で販売しても安全上問題がない医薬品を選定するため、学識経験者らによる検討会を立ち上げた。11月中には見解をまとめる予定となっている。
厚生労働省は、鳳凰製薬(東京都渋谷区)が販売した「鳳凰軽身痩」(別名「ダイエットココナッツミルク」)を飲用しないよう、消費者への注意呼びかけを都道府県などに要請するとともに、同省のホームページなどで呼びかけることを決めた。
鳳凰軽身痩は、下痢を起こす可能性がある甘味料「D−ソルビトール」が多量に含まれており、各地から健康被害の報告が寄せられていた。東京都渋谷区では先月29日、食品衛生法に基づき回収命令を出しているが、輸入販売業者の「鳳凰製薬」が倒産し、回収しきれなかった可能性がある。
鳳凰軽身痩には260g入りの一缶にD−ソルビトールが28.6g含まれており、便秘予防の医薬品として用いられる量(10〜20g)を超えていた。