2003年10月15日号
調剤料の評価の在り方も検討課題に
〜厚生労働省 中医協・基本問題小委員会「診療報酬体系の見直しに係る審議の概要(案)」
東京都が日本初の音声会話による医療ガイドシステムを開設
〜厚生労働省「薬剤師養成問題検討会 中間報告書」
75歳以上の新たな高齢者医療保険制度等について論点を提示
〜厚生労働省 社保審・医療保険部会「「医療保険制度体系」に関する論点(案)」
薬局調剤の薬剤料比率は67.8%
〜厚生労働省「平成14年社会医療診療行為別調査の概況」
中央社会保険医療協議会(中医協)の基本問題小委員会は10月1日、次回の診療報酬体系の見直しに向け論点を整理し、同日の総会に報告した。
調剤については、患者の安全性の確保や医薬品の適正使用の推進という観点から、患者等に対する情報提供や服薬管理の推進等の評価の在り方、かかりつけ薬剤師の機能とその評価の在り方、医薬分業における調剤報酬の適切な評価等について検討を行う。さらに、わかりやすい調剤報酬体系とする観点から、・調剤基本料の区分等の在り方、・長期投薬の処方実態を踏まえ、「剤」に基づき算定する調剤料の評価の在り方――について検討する。
東京都はこのほど、音声会話で子どもの病気等に答える医療ガイドシステム「東京都こども医療ガイド」(http://www.guide.metro.tokyo.jp)を開設した。音声によるガイドは、日本初となる。
同ガイドシステムは、インターネット上のサイトに接続し、パソコン画面上の動画キャラクターと音声で会話しながら、・病気やケガの対処のしかた、・病気の基礎知識、・子育てアドバイス――の基本的な知識を提供する。音声会話を利用するには、音声認識エンジンのインストールが必要。利用者のIT環境によって、音声応答、音声ガイド(クリック対応)、携帯電話用を使い分けることができる。
都では、同ガイドシステムの活用により、知識が不十分なために起こる救急医療機関への駆け込みを抑制し、小児救急医療の充実を図る。
厚生労働省は10月6日の社会保障審議会・医療保険部会に、新たな高齢者医療制度の枠組みや市町村国保・政管健保・健保組合等の再編・統合等についての論点案を提示した。
高齢者医療制度については、65歳以上75歳未満の前期高齢者はそれまで加入していた国保、政管健保、健保組合に継続して加入し、75歳以上の後期高齢者については新たな制度を創設する。論点案では、75歳以上を対象とした別立ての新たな高齢者医療保険制度について、保険者間の枠組みを超えた現役世代による財政支援を明確にした「社会連帯的な保険料」の考え方が強調されている。
厚生労働省が10月9日に発表した「平成14年社会医療診療行為別調査の概況」で、薬局調剤の総点数に占める薬剤料の割合は67.8%だったことがわかった。
調査によると、薬局調剤におけるレセプト1件当たりの総点数は平均898.8点で、その内訳は調剤技術料:224.9点(構成比25.3%)、指導管理料:60.0点(同6.7%)、薬剤料:603.7点(同67.2%)。レセプト1件当たりの処方箋受付回数は、一般が1.48回、老人が1.77回で、いずれも昨年より0.1回減となっている。薬剤点数別のレセプト件数構成割合を見ると、「500点未満」は一般医療70.9%、老人医療47.6%。また、後発医薬品の含まれるレセプトの割合は、一般医療32.8%、老人医療45.5%だった。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/sinryo/tyosa02/index.html