2004年1月15日号
死亡数が56年ぶりに100万人を突破
〜厚生労働省「平成15年 人口動態統計の年間推計」
2030年、40%以上が高齢者の自治体、3割へ
〜国立社会保障・人口問題研究所「日本の市区町村別将来推計人口(平成15年12月推計)」
「タミフル」、1歳未満への投与中止へ
〜中外製薬
ガムたばこ「子どもが口にしないように」注意
〜厚生労働省
厚生労働省が1月1日に公表した「平成15年 人口動態統計の年間推計」で、平成15年に生まれた子どもは前年より3万3000人減少して112万1000人となったことがわかった。人口1000人あたりの出生率は8.9で前年より0.3下回った。
死亡数は前年より4万3000人増の102万5000人。高齢化の進行に加え、1〜2月に流行したインフルエンザの影響による。死亡数が100万人を超えたのは調査を開始した終戦直後の昭和22(1947)年に次いで二度目。
発生頻度に換算すると、28秒に1人生まれ、31秒に1人死亡し、15分1秒に1人が死産となり、43秒に1組が結婚し、1分50秒に1組が離婚したことになる。
2030年には、自治体の34.6%が人口規模5000人未満になることが、国立社会保障・人口問題研究所の推計でわかった。
さらに、出生率の低下により年少人口(0〜14歳)の減少が続き、年少人口割合10%未満の自治体は2000年の3.2%から2030年には31.4%急増する。一方、老年人口(65歳以上)割合40%以上の自治体は、2000年の2.3%から2030年には30.4%を占めるようになると推計した。地域ブロック別に見ると、北海道、中国、四国で人口の高齢化が著しい自治体の割合が高かった。
インフルエンザ治療薬の「タミフル」(一般名:リン酸オセルタミビル)を輸入・販売している中外製薬は、同薬を1歳未満の乳児に投与しないよう医療機関を中心に呼びかけている。添付文書の改訂作業も進めているという。
製造元のロシュ(本社・スイス)が実施した動物実験で、タミフルを大量投与した生後間もないラットが死に、脳から高濃度の薬剤成分が検出された。脳の異物の侵入を防ぐ機能が未発達なためとみられておおり、人間の乳児にも危険性があるという。
なお、厚生労働省では9日、「インフルエンザの流行シーズンに入った」と発表。シーズン入りは例年並みで、大流行した昨シーズンより2週遅い。
地域ごとの流行状況などは感染症情報センターのサイトで見ることができる。
ガムのような形や味のスウェーデン製「ガムたばこ」が昨秋から販売されていることで、厚生労働省はホームページで、子どもが口にしないよう注意を呼びかけ始めた。
ガムたばこは、1粒にニコチン1ミリグラムを含んでおり、財務省の認可を受け、昨年10月から首都圏のコンビニエンスストアやたばこ店などで試験販売されている。厚生労働省は本来、所管外であるが、今後、本格的に販売される可能性もあり、注意喚起の必要があると判断し、ホームページで注意を呼びかけ始めた。
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/jouhou/index.html