2004年3月15日号
16年度薬価改定、改定率は4.2%
〜厚生労働省「薬価基準全面改正の概要」
15年度上半期、処方せん受取率が50%超に
〜日本薬剤師会「保険調剤の動向(平成15年度上半期全保険分)」
厚生労働省の検討会が医薬品取り違え事故の防止策を提案
〜厚生労働省「医薬品・医療用具等対策部会」
厚生労働省は3月5日、平成16年4月1日実施の薬価基準改定を官報告示した。改定率は薬価ベースで4.2%。引き下げ率が大きかったのは、「ビタミンAおよびD剤」8.7%、「高脂血症用剤」8.6%、「合成 抗菌剤」8.0%など。
市場実勢価格加重平均値調整幅方式による改定や後発品のある先発品の薬価改定、再算定による改定などにより、卵胞・黄体ホルモン剤「プレマリン錠 0.625mg」など9645品目が引き下げられ、血圧降下剤「アテノロール50mg錠」など39品目が引き上げとなる。催眠鎮静剤「(局)抱水クロラール」など2309品目は据え置きとなった。
日本薬剤師会が公表した平成15年度上半期の「保険調剤の動向」(全保険分)で、15年3〜8月の処方せん受取率は50.6%で、14年度上半期より2.9ポイント上昇したことがわかった。都道府県別の処方せん受取率を見ると、70.8%の秋田県や68.3%の佐賀県、67.3%の神奈川県などで高くなっている。一方、処方せん受取率の対前年度比の伸びが大きいのは、石川県(同5.1%増)や岩手県(同4.9%増)、鳥取県(同4.9%増)など。
厚生労働省の「医薬品・医療用具等対策部会」は3月2日、医薬品の取り違え事故対策について「規格」、「名称類似・注射薬」、「輸液」、「眼科用剤」の各ワーキンググループから報告を受けた。規格WGがまとめた報告書では、複数規格のある医薬品での取り違え事故防止対策として、製薬企業に対し容器や包装に販売名とともに規格の情報を表示することや、複数規格のある医薬品リストおよび「複数規格あり」のシールの作成などを提案した。
医療機関や薬局に対しては、(1)オーダリングチェック機能の充実、(2)抗腫瘍剤についてはレジメンの活用や薬暦管理の徹底、処方・調剤・投薬時のダブルチェックなど、二重、三重の事故防止対策、(3)糖尿病でない患者への糖尿病薬の処方・調剤・投薬の防止対策強化――といった改善策を求めた。