2004年4月1日号
国立病院等の後発医薬品の採用率が年間2.2ポイント上昇
〜厚生労働省「国立病院等における後発医薬品採用状況の調査結果について」
65歳以上人口が19%増
〜総務省「平成15年10月1日現在推計人口」
調剤事故、前年度より13件減少
〜厚生労働省「全国医薬分業担当者会議」
75歳以上の医療保険負担は1人当たり5万3000円
〜厚生労働省
薬科大学卒業生動向調査、薬局が就職トップ
〜薬学教育協議会
厚生労働省の発表によると、2003年9月30 日現在の国立病院・療養所182施設における後発医薬品採用率は、全品目の7.5%(1万3867品目)だった。02年9月30日現在の後発医薬品の平均採用率は品目数の5.3%(1万462品目)であり、1年間で2.2ポイント上昇したことになる。
後発医薬品の採用に積極的なのは国立療養所で、品目数、購入価ベース、薬価ベースともに国立病院を上回っていた。品目数で10%以上後発医薬品を採用している国立病院が6施設なのに対し、国立療養所は28施設あり、そのうち2施設は20%以上採用していた。
総務省の「平成15年10月1日現在推計人口」によると、日本の総人口は年間18万4000人(0.14%増)増加して1億2761万9000人になったことがわかった。自然増による人口増は11万6000人増で、戦後最低の水準となった。
総人口に占める65歳以上人口の割合は19.0%で、前年より2.89%増となった。15〜64歳人口は0.35%減の66.9%、0〜14歳人口は1.09%減の14.0%。都道府県別に年齢別人口を見ると、65歳以上人口の割合は全都道府県で前年より高くなっているが、65歳未満人口の割合が前年を上回った都道府県はなかった。
平成15年度に発生した調剤事故は現在のところ34件で、前年度より13件少ないことが日本薬剤師会の井上章治常務理事の報告で明らかになった。報告によると、件数は減少しているものの、刑事事件や訴訟に発展するケースが増えるなど事故内容の悪化が目立つ。
日薬では、調剤事故防止マニュアルを作成し、各都道府県薬に研修会の開催や協議会の設置などを呼びかけてきたが対応にばらつきが大きいのが現状で、都道府県薬の取り組みには温度差が見られる。井上常務理事はこの現状を問題視し、早急な取り組みを要請した。
厚生労働省は、現在の75歳以上が負担する医療保険料は1人当たり年5万3000円との推計結果をまとめた。75歳以上の国保加入者は653万人で、1人当たり保険料は年6万2000円。一方、政管健保、健保組合の加入者で家族に扶養され自分では保険料を負担していない人は205万人で、本人が払っているのは21万人だけ。3制度を単純平均した75歳以上の1人当たり保険料負担は5万台半ばだった。
政府は医療保険制度改革を2006年にも着手する方針だが、その中で75歳以上だけが入る新保険の創設を計画している。新保険の財源は加入者本人の保険料や現役世代からの支援金などで賄う予定。今回の推計は75歳以上の保険料負担の目安となる可能性も。あるが、費用分担を巡る議論は難航が必至だ。
このほど薬学教育協議会がとりまとめた「15年3月薬科大学卒業生就職動向調査」によると、平成15年3月の薬科大学、大学薬学部・薬学科卒業生の就職先は5年連続で薬局が第1位という結果となった。しかしながらその内容を見ると、平成15年の薬局への就職率は24.2%。昨年(24.5%)、一昨年(25.8%)に比べ、若干の減少傾向にある。