2004年5月1日号
一般用医薬品の販売のあり方に関する検討会設置
〜厚生労働省「厚生科学審議会」
薬剤師国家試験、合格率は78.32%
〜厚生労働省「第89回薬剤師国家試験の合格発表について」
高齢者虐待、最大の加害者は息子
〜厚生労働省
「痴呆」の呼称変更へ検討会を発足
〜厚生労働省
厚生労働省の厚生科学審議会は4月14日、一般 用医薬品販売のあり方全般の見直しについて調査審議する「医薬品販売制度検討部会」を同審議会に設置することを了承した。
同部会は、医学、薬学、経営学、法律学、消費者保護の分野等の専門家20人程度で構成し、2006年の通 常国会に法案提出するための最終的な意見のとりまとめを行う。検討課題は、(1)医薬品のリスク等の程度に応じた区分、(2)医薬品販売に当たっての情報提供のあり方、(3)販売後の副作用発生時等への対応――など。
厚生労働省は4月21日、3月27、28の両日に行った第89回薬剤師国家試験の合格者を発表した。受験者数1万1048人に対し合格者数は8653人で、合格率は78.32%。昨年の81.12%から2.8ポイント低くなった。
合格率が高いのは、男性(73.54%)より女性(81.80%)、新卒者以外(51.26%)より新卒者(86.42%)だった。受験者数の約8割を占める私立大卒の合格率が79.64%で最も高く、公立大卒(73.74%)、国立大卒(72.90%)の順となった。
家庭内で高齢者を虐待する加害者は、「息子」が32%で最も多いことが、高齢者虐待に関する国の初の全国調査で明らかになった。
調査は、厚生労働省から委託された医療経済研究機構が、昨年11月から今年1月にかけ、介護サービス事業所や病院など全国の在宅介護関係機関約1万6800か所を対象に実施。このうち、介護サービスのかなめとなるケアマネジャーが把握した1991事例を分析した。
それによると、虐待された高齢者の平均年齢は81.6歳で、76%は女性。加害者は、介護者としては少数派と見られる「息子」が32%と突出し、「息子の配偶者(嫁)」(21%)、「娘」(16%)、「夫」(12%)と続いた。「妻」は9%と少なかった。
虐待の種類(複数回答)は、「心理的虐待」が64%で最も多く、次いで「介護・世話の放棄・放任」が52%、「身体的虐待」が50%。また、「生命にかかわる危険な状態」があった高齢者は11%と1割を超えることがわかった。
虐待の原因(複数回答)は、「虐待者の性格や人格」50%、「高齢者と虐待者の人間関係」48%など加害者自身の資質に関係するものが多いが、「介護疲れ」「痴ほうによる言動の混乱」各37%など、介護負担にからむものも目立った。
これらの高齢者虐待について厚生労働省は、虐待に気付いた人の通報や相談を受けて対応する窓口の設置や、介護に悩む家族の相談体制整備などを柱とする虐待防止策の検討に入っている。
厚生労働省は、「痴呆」の呼称を変更する方針を決めた。関係団体が、痴呆の呼称について「『痴』と『呆』の個々の言葉のいずれも蔑視(べっし)的な意味合いが含まれており、『痴呆』にもこうしたニュアンスが感じられる」と主張し、痴ほう性高齢者の増加で対策が重点課題となる中、呼称変更が必要だと訴えたものを受けた形。坂口力厚労相に見直しを求める要望書を提出したのを受けた措置。有識者による検討会を5月に設置し、今秋ごろまでに結論を出す方針。