2004年5月25日号
4割以上が一般用医薬品について説明
〜日本薬剤師会「「消費者に対する今後の薬局・薬剤師の行動計画」実施状況の検証結果の公表並びに未実施支部・会員への徹底指導について」
2025年度の社会保障費の見通しを公表
〜厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し-04年5月推計-」
高額医療費の未償還金額、全国で63億円超に
〜厚生労働省「高額医療費申請に関する取りまとめ結果(支給額・支給件数)」
日本薬剤師会が会員薬局・薬店に実施した調査(回答3万3237軒)で、一般薬の購入者への説明状況が明らかになった。
調査では、「原則、すべての購入者に行うようにしている」45.5%、「薬剤師が必要と判断した場合」44.0%と、購入者からの求めがなくても薬剤師が積極的に説明している状況がうかがえる。また、夜間については「緊急時の連絡先を、店舗の内外に掲示している」44.5%の他、「薬局と住居が同じなので、インターフォンや電話等で対応可能」23.1%などの体制が多かった。
厚生労働省は、政府の年金改革関連法案が成立した場合、2025年度の社会保障給付費は、対国民所得比(対NI比)29%の152兆円になるとの推計を公表した。04年の年金財政再計算や政府予算、経済動向、人口変動、医療費の伸び等を前提に25年度の社会保障の給付と負担について試算したもの。
それによると、04年度(予算ベース)には86兆円の社会保障給付費が10年度までに100兆円を突破、25年度には04年度(同)より66兆円増加し、対NI比で5.5%上昇する。また、社会保障に係る負担は、対NI比が04年度(同)の21.5%から25年度には29.5%に上昇し、負担額はほぼ倍になると推計した。
厚生労働省保険局がまとめた高齢者の「高額医療費制度」の支給件数や支給額で、2002年10月〜03年3月に高額医療費に該当しながら未支給だった件数は約127万件にのぼり、約69億6190万円が償還されていないことがわかった。
現役世代に適用される「高額療養費制度」の高齢者版ともいえる「高額医療費制度」は、改正老健法施行で高齢者の窓口負担が定率制となったことに伴い、 02年10月から導入されたもので、高齢者が支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合に超過分が払い戻される仕組み。保険局の調査によると全国平均は 79.8%で、最も償還率の高い愛知97.3%に対し、最も低い鳥取は50.1%と、償還状況に都道府県格差が大きかった。