2004年6月15日号
高齢者世帯は1727万世帯で過去最高を更新
〜厚生労働省「平成15年 国民生活基礎調査の概況」
医療費、2025年度に69兆円に倍増
〜厚生労働省
3人に1人がアレルギー様症状
〜厚生労働省「平成15年保健福祉動向調査の概況」
医療に満足している人は2割に満たず
〜連合総合生活開発研究所「医療に関する勤労者の意識調査報告書」
平成15年6月5日現在、65歳以上の高齢者がいる世帯は過去最高の1727万3000世帯であることが厚生労働省の調査でわかった。このうち、65歳以上の人のみの世帯は723万世帯で4割に上っており、その約半数が夫婦2人の世帯だった。
平成14年1月1日から12月31日までの1年間の所得を見ると、高齢者世帯の1世帯当たり平均所得金額は前年と同じ304.6万円で、「苦しい」(「大変苦しい」と「苦しい」の合計)と感じている世帯は全世帯よりも6.3ポイント少ない47.6%だった。
厚生労働省の試算によると、自己負担分を含む医療費が2025年度に今年度の2.1倍となる69兆円程度に膨らむ。最大の理由は、医療費のかさむ高齢者が増えるため。老人医療費は同3倍に増え、医療費全体に占める割合もほぼ5割に達する試算となる。医療費全体と老人医療費を比較すると、2004年度予算ベースでは32兆1000億円に対し11兆 5000億円で、老人医療費の割合は36%。2025年には69兆円に対し34兆円となり、比率は49%に上昇する。
試算は2004年度予算を基に、過去の1人当たりの医療費の伸びや人口の将来予測に沿って医療費を推計した。
厚生労働省は6月3日、「平成15年保健福祉動向調査の概況」を公表した。毎年、社会的に関心の高い内容をテーマに実施しているが、今回のテーマは「アレルギー様症状」。皮膚や呼吸器、目鼻の症状(3症状)について、その影響や対策などの実態と意識を調査した。有効回答は3万6506人。
それによると、3症状のうちいずれかの症状がある人は35.9%にのぼるが、医療機関にかかっている人は20.9%にとどまっていた。3症状のうち最も多いのは目鼻のアレルギー様症状で、症状がある人が22.6%、うち医療機関にかかっている人は10.9%だった。
目鼻のアレルギーがある人が日ごろ実行していることは、女性では「こまめに掃除をしている」(34.3%)だが、男性は「特になにもしていない」(28.9%)が多く、次いで「休養や睡眠を十分にとっている」(25.0%)だった。
連合総合生活開発研究所(連合総研)が 20〜50代の会社員806人に調査した結果、現在の医療に対して満足感をもっている人(「かなり満足」と「やや満足」の合計)は13.9%にとどまり、不満を感じている人(「やや不満」と「かなり不満」の合計・59.5%)の約4分の1であることが明らかになった。とくに「健康でない」人の「かなり不満」の割合が高く、3割超にのぼっている。
不満につながる要因は、待ち時間の長さや医師等の経験や技能レベルがわからないこと、病院や医師など医療の選択に関する情報が少ないこと等を挙げる声が多かった。また、「特に必要だと思う医療情報」は、(1)治療方法と効果、(2)薬の効能と副作用、(3)自分の診療録(カルテ)の内容――の順に多かった。