2004年6月25日号
15年度の高額レセプトは100件超に
〜健康保険組合連合会「平成15年度 高額レセプト上位の概要」
「コミュニケーション不足」が患者の不安に
〜厚生労働省「健康と生活の安全・安心に関する意識調査報告書」
高額医療費の申請期限を延長
〜厚生労働省「老人医療の高額医療費に係る消滅時効の取扱いについて」
健保連の公表によると、平成15年度に1カ月の医療費が1000万円を超えた高額レセプトは前年度より20件(24.69%)増の101件に上った。疾病別では、(1)循環器系疾患(49件)、(2)悪性新生物(白血病を含む)(24件)、(3)血友病(16件)などが多数を占めている。
15年度最高額となったのは、「大動脈解離」で入院した55歳の男性の2985万9940円だった。
厚生労働省が平成16年版厚生労働白書の作成資料とするために実施したアンケート(回答1293人)で、「医療機関や医師等に対して不安を感じること」が「ある」(「よくある」+「ときどきある」の合計)人が73.3%に上ることがわかった。
アンケートでは、60.1%の人が「医療従事者と十分なコミュニケーションがとれないとき」に不安を感じており、「安心して受診するために患者としてできること」として55.1%の人が「納得できるまで治療に関する説明を聞く」ことを挙げている。
厚生労働省は高額の医療費を払った高齢者が限度額を超えた分を払い戻すことができる「高額医療費」の払い戻し期間を延長する方針を決めた。具体的には医療費を払ってから2年間の払戻期間を、対象者に申請を促す「通知が届いてから2年」にする。
払い戻し制度は02年10月の改正老人保健法によって導入されており、98%の市町村が支給対象者へ申請を促す通知を出しているが、15年3月までの未支給件数は2割にしか達しておらず、多くは払い戻しを受けていない。今年10月には最初の時効が来るため、それを受けての延長。