2004年8月15日号
総点数、総薬剤点数は院外のほうが高額
〜健康保険組合連合会「医薬分業による薬剤給付の合理性に関する調査研究事業報告書」
政管健保の返還・調整レセプトは460万件
〜社会保険庁「政府管掌健康保険の事業運営状況」
政管健保、11年ぶりの黒字決算
〜社会保険庁「政府管掌健康保険の平成15年度単年度収支決算の概要」
健保連はこのほど、院内投薬(非分業)と院外投薬(分業)との比較等について、実態を把握するために老人レセプト約1万5000件、一般レセプト約42万2000件を調査し、報告書をまとめた。
それによると、レセプト1件当たりの総点数と総薬剤点数は老人・一般ともに院外処方が高く、薬剤費比率は院内処方が高かった。
また、後発医薬品の占める割合は、老人・一般ともに骨粗鬆症が高かった(老人8.42%・一般7.50%)が、低い疾患は老人と一般で異なり、老人は高脂血症(0.66%)、一般は糖尿病(1.70%)だった。
社会保険庁は8月5日の政府管掌健康保険事業運営懇談会で、社会保険事務局事務センターにおいて、保険給付費の返還又は診療報酬請求額の調整を求めたレセプト件数及び金額を公表した。
平成15年度の政管健保の一般分のレセプト総件数(*1)は3億1900万件で、このうち返還・調整分は460万3000件に上る。内訳は、資格点検(*2)が346万9000件、外傷点検(*3)が22万9000件、内容点検(*4)が90万5000件だった。これらの返還・調整レセプトの総額は705億6500万円。
*1 レセプト件数:15年度は、おおよそ、被用者保険が5億件強、国保が3億件強、老人が3億件弱となっている。
*2 資格点検:資格の有無の点検
*3 外傷点検:第三者行為保険事故であるか等、保険給付発生原因を点検
*4内容点検:縦覧点検(複数月の重複請求を点検)、単月点検(毎月の診療内容の算定の適否を点検)および特定点検(電算処理情報に基づき医科・歯科と調剤それぞれの請求の突合点検)
社会保険庁「政府管掌健康保険の平成15年度単年度収支決算の概要」
社会保険庁の発表によると、平成15年度の政管健保の収支決算は11年ぶりの黒字となり、黒字額は647億円だった。黒字の要因は、総報酬制の導入による収入増と本人3割負担導入による支出減。
医療分についてみると、収入6兆8695億円、支出6兆7991億円で、70億円の黒字となった。14年度が6169億円の赤字決算だったため、6873億円改善したことになる。