2004年11月1日号
4月からの副作用・感染症報告は1万件超
~厚生労働省「薬食審医薬品等安全対策部会」
「薬局機能評価マニュアル(改訂版)」まとまる
~日本薬剤師会「薬局機能評価検討事業報告書」
日薬DEM事業、A-Ⅱ受容体拮抗剤を対象に
~日本薬剤師会「平成15年度 日本薬剤師会DEM事業の概要」
「のむ中絶薬」、個人輸入に注意喚起
~厚生労働省医薬食品局
10 月20日の薬食審医薬品等安全対策部会で、4月1日から7月31日までに受け付けた副作用・感染症等報告の集計結果も公表。メーカー等からの報告は、国内の副作用症例が8984件(医療用医薬品8868件、一般用医薬品116件)、感染症症例が76件(すべて医療用医薬品)だった。
薬剤師等医薬関係者からの医薬品の副作用・感染症報告は1577件で、昨年10月27日から今年3月31日までの半年間の報告件数(2521件)を下回った。
日本薬剤師会(日薬)が平成14年度から進めている「薬局機能評価検討事業」(厚生労働省補助金事業)の報告書が、10月9日まとまった。同事業では、薬局の持つ「機能」を客観的に評価するための「薬局機能評価マニュアル」の作成に取り組んでおり、15年度に「暫定版」をまとめている。それを用いて全国 100薬局で試行事業を行い、改善した「改訂版ver.1」が、このほど公表された。
日薬では、16年度以降は「薬局機能評価制度導入整備事業」の実施を予定しており、同マニュアルを用いて全国多数の薬局で試行事業を実施し、第三者機関による「薬局機能を評価する仕組み」の導入を検討していく。
日本薬剤師会(日薬)は10月9日、A‐Ⅱ受容体拮抗剤の「咳」の発現頻度をテーマに実施した15年度のDEM(薬剤イベントモニタリング)事業の結果を発表した。対象医薬品は以下の4品目。
1. 武田「ブロプレス錠8」(カンデサルタン シレキセチル)
2. 万有「ニューロタン錠50」(ロサルタンカリウム)
3. ノバルティス「ディオバン錠80mg」(バルサルタン)
4. BI、山之内「ミカルディスカプセル40mg」(テルミサルタン)
咳の発現率が最も高かったのは、「ニューロタン錠50」の13.62%。併用薬がなく、1日1回1錠服用で、他に咳の出る要因のない患者(17.0%)では、「ミカルディスカプセル40mg」が3.73%、「ニューロタン錠50」が3.72%などとなっている。また、添付文書に記載のない副作用症状として、「ミカルディスカプセル40mg」を除く3剤で「痰が出る・からむ」や「喉の異和感」が報告された。
インターネットを通じて個人輸入の形で販売されている国内未承認の「飲む中絶薬」について、手術が必要となるような出血を起こすことがあるなど、健康被害が懸念されることから、厚生労働省では安易な服用を避けるよう注意を呼びかけている。
この薬は一般名「ミフェプリストン(Mifepristone)」、販売名は「ミフェジン(Mifegyne)」(EU)、「ミフェプレックス(Mifeprex)」(米国)、「息隠(米非司酉同片)」(中国)などで、開発時の名称である「RU486」とも呼ばれている。
有効成分の「ミフェプリストン」は、子宮収縮作用のある他の医薬品と一緒に使用した時、妊娠後(最後の月経が始まった日から)49日以内であれば妊娠を終了することができるものとして欧米では認可されているが、膣からの出血などの副作用が知られており、医師による投与後の経過観察や、緊急時には医療機関を受診できることが必要とされている。またインターネットを通じて販売されることは認められていない。
厚生労働省は、この薬を個人輸入する際には医師の処方せんの有無を確かめるよう全国の税関に徹底するなど個人輸入の制限や個人輸入代行業者への監視指導を強化する。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1025-5.html