2004年11月15日号
分業経験患者ほど医薬分業を評価
〜日本大学・白神誠教授「医薬分業の経済性評価に関する研究」
薬局調査の実施が決定
〜厚生労働省「中医協・診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会」
厚労省が介護保険料の試算を公表
〜厚生労働省「社保審介護保険部会」
肥満や糖尿病が増え、目標値下回る
〜厚生労働省調べ
ケアマネジャー、5年ごとの更新制へ
〜厚労省方針
日本大学薬学部の白神誠教授はファイザーヘルスリサーチ振興財団主催のヘルスリサーチフォーラムで、医薬分業の経験者ほど、“医薬分業サービス” に対する「支払意思額」(WTP)が高くなるとの調査結果を発表した。
白神教授は、消費者の医薬分業に関する評価について調査を実施。その結果、(1)医薬分業の経験者やかかりつけ薬局の利用者で「支払意思額」が高い、(2)医薬分業が医療の質向上に貢献していると思うほど「支払意思額」が高くなる傾向がある――ことがわかった。
前回の分科会で継続検討とされた調剤コスト調査の実施が決まった。処方せんの発行元と調剤の種類の2つの視点から、処方せん受付・確認、調剤、監査等の一連の流れに沿って、トータルの所要時間等を調査する。
調査対象薬局は20薬局程度。内訳は、病院の処方せんを主に受け付けている薬局が5施設、一般診療所の処方せんを主に受け付けている薬局が15施設。
これらの薬局のうち、主として内科、小児科、外科、皮膚科、眼科、又は耳鼻咽喉科の処方せんを受け付けている薬局をそれぞれ2施設ずつ含むこととした。さらに、一包化薬、浸煎薬、湯薬の調剤を行っている薬局および自家製剤、計量混合、無菌製剤処理を行っている薬局がそれぞれ2施設以上選定される。
厚生労働省が社保審介護保険部会に提示した介護保険の被保険者の年齢を拡大したときの保険料の試算によると、現行制度のまま移行した場合の平成24〜26年度の保険料月額は、現在の全国平均月額3300円より2700円増の6000円になることがわかった。制度改正を行い、介護予防が相当進んだケースでは、 4900円と試算した。
保険料徴収年齢を20歳以上に拡大した場合、20〜64歳の保険料額を同額としたときは3900円、20〜39歳を40〜64歳の半額としたときは、20〜39歳が2300円、40〜64歳が4600円となる。
肥満や糖尿病の患者数が増え、運動量が減っている――こんな傾向が厚生労働省の調べでわかった。「健康日本21」で掲げた健康状態や食生活などの目標達成度を、国民栄養調査などと比較して調べたところ、20項目で悪化していることがわかった。
肥満の割合では、20〜60歳代の男性で97年の栄養調査では24%だったのが02年には29%に(目標では15%以下)、女性は40〜60歳代で25%から26%に上昇(目標20%以下)した。
日常生活の歩数は男性が8202歩から7676歩(目標9200歩以上)に、女性も7282歩から7084歩(目標8300歩以上)に減り、1日に食べる野菜は292グラムから285グラム(目標350グラム以上)に減っている。
糖尿病患者数は糖尿病実態調査で、97年の690万人から02年には740万人に増えた。
厚生労働省は2005年の介護保険制度の改正で、要介護者のサービス内容などケアプランを作るケアマネジャーの資格を5年ごとの更新制とし、更新時には研修を受けるようにする方針を決めた。復職する場合も研修を義務づける。ただし更新しなくても資格は失われない。
またケアマネジャーの力量にばらつきが目立つため、ケアプランの内容をケアマネジャーごとにチェックする仕組みを06年度から導入する方針。さらに指導などにあたる主任ケアマネジャーの資格も新設し、ケアマネジャーの質の向上を図る。