2005年1月1日号
混合診療問題、閣僚折衝で決着
〜規制改革担当相/厚生労働相「いわゆる「混合診療」問題について」
「集団的個別指導」2360件で過去最多
〜「平成15年度における保険医療機関等の指導及び監査の実施状況について
来年度予算、厚労省内示額は20.8兆円
〜政府「平成17年度厚生労働省予算」
「条件付き特保」創設
〜厚労省 薬事・食品衛生審議会
いわゆる混合診療の解禁問題で焦点となっていた(1)国内未承認薬の使用、(2)先進技術、(3)制限回数を超える医療行為――などについて、現行制度を拡充することで、村上誠一郎規制改革担当相と尾辻秀久厚生労働相は合意した。規制改革・民間開放推進会議が主張していた全面解禁は見送られ、一定ルールの下で保険診療と保険外診療の併用を認める。
今年度中に国内未承認薬の治験制度の見直しに着手し、来年夏をめどに現行制度の見直しを行う。特定療養費制度は廃止し、「保険導入検討医療(仮称)」と「患者選択同意医療(仮称)」に再構成する。再構成に必要な法改正は、2006年の通常国会に提出予定の医療保険制度改革法案の中で対応するとした。
厚生労働省保険局は12月17日、平成15年度に実施した病院や薬局等に対する指導・監査の状況を公表した。
それによると、「監査」を行った薬局は9件、「個別指導」を行った薬局は902件、「新規指定個別指導」は1537件、「集団的個別指導」は2360件だった。「個別指導」と「新規指定個別指導」は昨年度を下回ったものの、「集団的個別指導」は過去最多だった。
「指定取消」となったのは薬局6件・薬剤師1人で、理由は「非薬剤師による調剤」が4件、「付増」「付増等」が2件・1人、「無効な処方箋による調剤等」が1人だった。
政府は20日の臨時閣議で、平成17年度予算の財務省原案を了承した。厚生労働省の当初内示額は20兆8153億円で、前年度より3.1%増となった。
新規の具体的な施策としては、「重篤副作用疾患の早期発見、早期対応の推進」に4400万円、「小児に対する薬物療法の質の向上」に6600万円、「妊婦のためのクスリ情報センターの設置」に4800万円、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」に1億円など。この他、「薬剤師の資質向上対策の推進」に1.1億円、「医薬品表示コード化による医療事故防止対策の推進」に4000万円などが計上された。
厚生労働省では、健康上の効果を表示できる特定保健用食品(特保)の認定基準を緩和した商品を「条件付き特定保健用食品」とすることを正式に決めた。
「条件付き特保」は、科学的な根拠は現行特保のレベルにないが、健康に一定の効果があることが確認され、限定的な科学的根拠を表示することが認められる健康食品の一分類。
特保のように「〇〇に適す」とは表示できないが、「根拠は必ずしも確立されていないが、〇〇に適する可能性がある」などの表示が可能になる。
現行特保は人を対象にした科学的な試験データに基づいて認定されており、認定基準が厳しい。基準を満たさない健康食品がそれぞれに表示をすることで、消費者の混乱を招く恐れがあるため、新たな基準づくりが検討されていた。厚労省では年明けに省令を改正する予定。