要指示医薬品を廃止し、処方せん医薬品に再分類

〜厚生労働省「処方せん医薬品の指定について」

　厚生労働省は２月10日、「処方せん医薬品」の指定品目を官報告示し、同日付で留意事項を都道府県等に通知した。
　４月１日施行予定の改正薬事法で、現行の「要指示医薬品」を廃止し、処方せんがなければ販売できない「処方せん医薬品」に移行する。さらに、これまで要指示医薬品の指定を受けていなかった注射薬や麻薬製剤も処方せん医薬品に指定し、処方せんがなければ販売できないことを明確化した。
　今回、処方せん医薬品に指定されたのは、(1)医師等の診断に基づき、治療方針が検討され、耐性菌を生じやすい、または使用方法が難しい等のため、患者の病状や体質等に応じて適切に選択されなければ、安全かつ有効に使用できない、(2)重篤な副作用等のおそれがあるため、その発現の防止のために、定期的な医学的検査を行う等により、患者の状態を把握する必要がある、(3)併せ持つ興奮作用、依存性等のため、本来の目的以外の目的に使用されるおそれがある ――の３基準に該当する医療用医薬品。

糖尿病患者の治療継続率の改善が課題に

〜厚生労働省「厚生科学審議会・地域保健健康増進栄養部会」

　「健康日本21」の一次予防施策について検討している厚生労働省の「厚生科学審議会・地域保健健康増進栄養部会」は２月21日、糖尿病、循環器病、がん、たばこ、アルコールの５分野の中間評価について議論した。
　糖尿病分野の暫定直近実績値についてデータ分析を行っている東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科の門脇孝教授は、データ分析に基づき、(1)女性の糖尿病検診受診率の向上対策、(2)中高年男性を対象とした肥満対策等の糖尿病発症予防対策、(3)治療継続率の増加――などを今後の課題に挙げた。

未承認薬の治験は３種類

〜厚生労働省「未承認薬使用問題検討会」

　厚生労働省の未承認薬使用問題検討会は２月22日に２回目の会合を開き、国内未承認薬に関する治験の種類とその考え方など、国内未承認薬の治験を実施するまでの手順について議論した。
　未承認薬の治験は、(1)薬事法上の承認申請を主目的とする「承認申請のための治験」、(2)希望患者に使用機会を提供すること等を目的とする「追加的治験」、(3)臨床使用成績を把握するための「安全性確認試験」（仮称）の３種類に分類される。このうち、企業治験の実施が困難な場合に医師主導治験によって確実な治験実施につなげるのは、承認申請のための治験と追加的治験の２つ。安全性確認試験は「承認後の使用実態を想定して実施する試験」であるため、医師主導治験は行わない企業依頼治験と位置付けた。