2005年3月15日号
肝がんの死亡率に都道府県格差
〜厚生労働省「都道府県別死因の分析結果について」
基本検診、受診率の上昇続く
〜厚生労働省「平成15年度地域保健・老人保健事業報告の概要」
副作用の説明で消費者と認識に差
〜厚生労働省「医薬品販売制度改正検討部会」
厚生労働省が公表した各都道府県の男女別の「標準化死亡比」(SMR)によると、日本の死因のトップである心疾患による死亡率が高いのは、男性では青森県、女性では茨城県だった。
データは、脳血管疾患や心疾患など11疾患の死亡数等を分析し、全国平均を100とした場合の都道府県ごとの指数を算出したもの。心疾患については、青森県の男性が119.8、茨城県の女性が113.2と算出した。
死亡率指数の最高値と最低値の開きが大きかったのは男女とも肝がんで、男性は最高値の福岡県と最低値の沖縄県の差が123.9、女性は最高値の佐賀県と最低値の岩手県の差が109.4だった。
厚生労働省の調べで、平成15年度の基本健康診査の受診率は前年度より2.2ポイント上昇の44.8%だったことがわかった。受診率は年々上昇しており、過去最高を更新している。
同省が2月28日に公表した「平成15年度地域保健・老人保健事業報告の概要」によると、15年度の基本健康診査の受診者は約1294万1000人で、男性が約444万人なのに対し、女性はその約1.9倍の約850万1000人だった。「要医療」の割合は、男性はすべての年代(40歳以上)で4割を超えており、男女ともに75歳以上では6割を超えた。
厚生労働省は医薬品販売制度改正検討部会に、消費者と販売店に実施した市販薬に関するアンケート結果を提出した。有効回答数は、消費者2710件、販売店(回答の7割が薬局)754件。
消費者アンケートでは、「説明を希望する内容」として、(1) 効能・効果について(1889件) (2) 副作用について(1876件)、(3) 他の薬との併用について(1789件)、(4) 飲み方(用法・用量)について(1180件)の順だった(複数回答)。副作用についての説明を希望する人は、効能・効果の説明を希望する人とほぼ同じで5割近くに上るのに対し、薬剤師等から副作用について説明を受けたことがある人は1割に満たなかった。また市販薬でも副作用を生ずることがあると認識しているのは、約半数に過ぎなかった。
販売店アンケートでは、消費者に説明する内容で多かったのは、飲み方(用法・用量)(80.8%)や効能・効果(69.7%)についてで、副作用についての説明は33.8%にとどまっている。