2005年4月1日号
薬科大卒業生の4分の1が薬局に就職
〜薬学教育協議会「平成16年3月 薬科大学卒業生・大学院修了者就職動向調査の集計報告」
規制なしの病院HP、都が国内初GL策定
〜東京都「医療機関による医療情報の「広報」に関するガイドライン」
日薬が個人情報保護法Q&A公表
〜日本薬剤師会
BSC研究について川渕教授が報告
〜薬局版BSC研究会
「調剤薬局における各種業務評価関連指標と患者アンケートの分析結果報告」
平成16年3月卒業の薬学生のうち25.6%が薬局に、13.4%が医療機関の薬局に就職が決まっていることが薬学教育協議会の調べでわかった。前年の卒業生よりも薬局勤務が1.4ポイント増加し、医療機関の薬局勤務が1.7ポイント減少した。
薬局勤務の初任給は22〜24万円未満が多いのに対し、医療機関の薬局勤務の初任給は20〜22万円未満と若干低くなっている。
医療に関する情報提供のニーズが高まっている中、東京都は「医療機関による医療情報の「広報」に関するガイドライン」を策定し、都のホームページで公表した。
現行の医療法では、ホームページには広告規制が適用されていない。都は、医療機関から積極的に情報が提供される仕組みと、都民が信頼できかつ分かりやすい医療情報が提供されるためのルールを示した。
関心の高い生存率や死亡率等については、評価指標が標準化されていないことから掲載を見送り、医療機関が得意とする治療方法などを提供する。また、実施した手術の件数や患者数、平均在院日数については、歴月単位で併記する。
都は今後、「医療機関向け「ガイドライン普及版」」を作成し普及に努めるとともに、ガイドラインに準拠した医療機関のホームページは「ひまわり」(都の医療機関案内サービス
http://www.himawari.metro.tokyo.jp/qq/qq13opening.htm)の案内画面からリンクを張ることができるようにする。
日本薬剤師会は4月1日施行予定の個人情報保護法に関し、薬局向けのQ&Aを作成した。
Q&Aでは、良質で適切な調剤サービスを提供するために、薬局の規模に関係なく厚生労働省が策定した「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」を遵守すべきとしている。薬局の取り扱う情報で、法で規定する個人情報にあたるのは、処方せん、調剤録、薬歴、医療機関からの診療情報提供文書、レセコンなどの調剤に係る情報の他、ケアプランやOTCに係る顧客データなど。
日薬は、薬局内のわかりやすい場所に、通常必要とされる個人情報の利用目的を掲示するなどの対応を求めている。
東京医科歯科大学大学院の川渕孝一教授は3月17日、調剤薬局版バランス・スコアカード(BSC)の研究結果について都内で講演した。
同研究は平成15年度に実施した経済産業研究所の委託研究の拡大スタディとなるもので、前回調査の57薬局から277薬局に協力施設数を拡大してデータを分析。結果は、研修認定薬剤師比率が高いのに調剤ミス発見率が低かったり、後発品採用率が低くても1枚処方せん調剤単価が高くないなどとなった。
BSCの薬局経営への応用を提唱する川渕教授は「データの相関関係についてよくわからない部分もある」としながらも、薬局の経営改善についてさらに研究を進めるとしている。