2005年5月1日号
ウエストサイズなど診断基準が明確に
〜日本内科学会他「メタボリックシンドロームの疾病概念の確立と診断基準」
COPDの疑いある人が4割
〜日本BI&ファイザー「COPD意識調査」
40代男性で肥満が顕著、改善進まず
〜厚生労働省「平成15年 国民健康栄養調査」
日本内科学会など8学会は国内で初めて、メタボリックシンドロームの診断基準を示した。
同委員会は、内臓脂肪が蓄積して、糖尿病や高脂血症など複数の生活習慣病があり、動脈硬化疾患になるリスクが高い状態をメタボリックシンドロームと定義。
ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上に加え、(1)リポ蛋白異常:高トリセリグライド血症:150mg/dl以上、低HDLコレステロール血症:40mg/dl未満、(2)血圧高値:収縮期血圧:130mmHg以上、拡張期血圧:90mmHg以上、(3)高血糖:空腹時血糖 110mg/dl以上――のうち2項目以上当てはまれば、メタボリックシンドロームと診断する。動脈硬化の治療は従来、高コレステロール血症の管理に重点が置かれてきたが、動脈硬化疾患一歩手前の高リスク群であるメタボリックシンドロームは、運動など生活習慣の改善に重点が置かれる。
日本ベーリンガーインゲルハイムとファイザーの調査(回答:約1万人)で、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の疑いがある人は回答した人の20%に上ることがわかった。40歳以上に限定すると、30%に達する。これらの人の41.2%は医師に相談する意向がなく、その理由は78.9%が「自分はCOPDではない」と考えているためだった。
COPDは初期症状がわかりにくい疾患だが、(1)1日に何度も咳をする、(2)1日に何度も黄色がかったり粘ったりする痰が出る、(3)同世代の人に比べて息切れしやすい、(4)年齢が40歳以上、(5)現在タバコを吸っている、または以前吸っていた――の5項目中3項目以上該当する場合は、COPDが疑われる。
30代から60代の男性の3割以上がBMI値25以上の肥満であり、そのうち40代男性がもっとも肥満者の割合が高いことが、厚生労働省の「平成15年 国民健康・栄養調査」でわかった。40代男性は、10年前の30代のときにも肥満者の割合が他の年代の男性よりも高く、さらに男性でもっとも運動しない人が多い年代であり、肥満の改善が進まない状況が明らかになっている。
今回調査から新たに腹囲計測が取り入れられ、BMIと合わせた上半身肥満の状況も明らかになった。ここでも40代男性は、「BMI25以上で腹囲85cm以上」の上半身肥満の疑いがある人が3割を超えていた。