2005年7月15日号
軽微医療「保険外し」支持は1割未満
〜厚生労働省「社会保障に関する公私機能分担調査報告書」
40代以上で高血圧症による通院が増加
〜厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」
厚労省が妊婦への服薬情報提供事業を開始
〜厚生労働省「妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会」
20〜30代の女性の約6割が、自分を「肥満」と評価
〜キリン ウェルフーズ「20〜30代既婚・独身女性のダイエット調査」より
現行の公的医療保険の対象範囲を支持する人が 65.6%に達し、重い傷病に対象を限定すべきとする人は7.6%――。厚生労働省の「社会保障に関する公私機能分担調査報告書」(約1万3000人の回答を集計)によると、過半数の人が国民皆保険を評価していた。政府の規制改革・民間開放推進会議が提案している風邪などの軽微な医療の公的医療保険外しに賛成の人は、同調査では1割に満たなかった。
また、公的社会保障サービスで重視するのは、全世代とも「老後の所得保障(年金)」が最多だが、20代以下と40代では、年金に次いで「医療保険」を重視する割合が高かった。これらの年代は、負担が増加しても、公的医療保険の対象範囲を広げて予防や健康づくりなども対象に含める考えの人が他の年代よりも多かった。
65歳以上の人口千人あたりの通院者(通院者率)は637.9人で、男女とも高血圧症による受診が多い――。厚生労働省が約22万世帯を調査した「国民生活基礎調査」で明らかになった。
高齢者の通院者率を見ると、75〜84歳が688.3で全年代を通してもっとも高く、次いで85歳以上が618.3となっている。「前期高齢者」と言われる65〜74歳は612.0で、高齢者の中では比較的通院者率が低かった。これらの通院者の傷病は高血圧症が最も多く、腰痛症や白内障などが続いている。
15〜54歳の現役世代は、通院者率は高齢者世代の2分の1から3分の1程度で、30代まではムシ歯による通院が、40代以降は高血圧症による通院が多い。
妊娠中に服用した薬の胎児への影響について十分な情報がないため、中絶や慢性疾患患者の避妊などが起きている現状を重く見た厚生労働省は、妊婦に服薬情報を提供するサービスに乗り出すことを決めた。
サービスの運用主体となる国立生育医療センター内に設置された「妊娠と薬情報センター」(以下、センター)では、今年10月からの運用へ向けて相談者に提供する情報の整備を進めている。当面は地域を限定した運用となる。
相談を受けたセンターでは、科学的検証が済んだ客観的な文献情報を要約した「薬剤情報データベース」から、医学的な表現などをわかりやすく要約した「成育サマリー」を作成して相談者に郵送で提供する。
20〜30代の女性の約6割が、自分を「肥満」と評価していることが、キリン ウェルフーズ株式会社が実施した調査の結果から明らかになった。
調査によると、自分を「肥満」と評価している20〜30代の女性(59.7%)のうちBMI判定の正常域に該当する人は73.6%だった。また、ダイエットに挑戦したことのある人は77.7%であり、その中で45.4%の人が5回以上ダイエットに挑戦していると回答している。
ダイエットの方法として、1位「夜の食事の量を減らす」(63.5%)、次いで、「運動」(61.3%)、「間食をやめる」(53.0%)と続いている。 調査は、全国の20〜39歳の既婚・独身女性を対象に2005年3月、Web上のアンケートで実施され、1032サンプルの回答を得ている。