2005年9月1日号
保険薬局の医療費、診療所を抜く
〜厚労省「2004年度医療費の動向」
不健康者は女性より男性に多い
〜日本人間ドック学会「人間ドックの現況」
レセ電算処理の薬局普及率は5割超
〜厚労省「医療のIT化について(レセプト電算処理システム」
厚生労働省が8月10日に公表した医療費の動向で、2004年度の保険薬局の1施設当たり医療費が9432万円だったことがわかった。9000万円超となるのは今回が初。また、院外処方せんの発行などの影響で、近年、診療所と保険薬局の1施設当たり医療費が接近していたが、初めて保険薬局が診療所を241万円上回った。
一方、伸び率を見ると、03年度が同6.4%増、06年度が同5.0%増と、かつての2ケタ台の伸び率は見られないものの、診療所の伸び率(同1.5%増)と比較して大きく伸長していることがわかる。
2004年に人間ドックを受診した人のうち、健常者(「異常なし」と「軽度異常なるも現在心配なし」の合計)は12.3%で、前年より1.0ポイント減少したことが、日本人間ドック学会と日本病院会の調査でわかった。
ほとんどの検査項目で、女性よりも男性の方が要経過観察や要医療の人の割合が高かった。健常者が減少している一方、増加している要経過観察の人に目立つのは肝機能異常で、年代を問わず異常値の人の割合が高い傾向が見られる。また、要医療とされた人のうち、40代までは高コレステロール、50代以上は高血圧によるものが多かった。
医療のIT化推進の重点施策のひとつであるレセプト電算処理システム*について、2005年7月時点でレセプト電算処理システムを行っているのは、病院885施設(普及率20.2%)、診療所 3545施設(同6.9%)、薬局1万6948施設(同54.0%)だったことがわかった。
レセコンとレセプト電算処理システムとに互換性がないことが、普及が進まない要因となっていることから厚労省では、レセコンメーカー6社に対応する文字情報変換ソフトを開発し、今年度内に実用化して普及促進を急ぐ考えを示している。
* レセプト電算処理システムとは 診療報酬請求を電子データ(FDなどを用いて請求。オンライン請求は準備中)で行うこと。医療機関、審査支払機関、保険者の三者が一貫したシステムを構築することによって業務の効率化を図る。