2005年12月1日号
保険薬局は法人、個人ともに増収
〜中医協「医療経済実態調査」
薬局薬剤師が全薬剤師の5割占める
〜厚労省「04年医師・歯科医師・薬剤師調査」
2011年にはレセプトオンライン化へ
〜規制改革・民間開放推進会議「第3回主要課題改革推進委員会」
社保審2部会が改定の基本方針まとめる
〜厚労省「社保審・医療部会/医療保険部会」
11月2日の中医協で、医療経済実態調査の速報値が報告された。速報値によると、保険調剤収入は法人薬局:1271万4000円(2年前の前回調査より261万1000円増)、個人薬局:747万 9000円(同246万9000円増)で、収支差額(粗利益)は法人:71万7000円、個人:73万2000円となった。ただし、利益の伸び率は、個人薬局で1.7%の増益、一方、法人薬局では9.1%の増益となっており、法人薬局に大きく差がついた形だ。
一方、医薬品費等は、法人:885万6000円(同184万3000円増)、個人:544万8000円(同152万7000円増)となっている。調査施設数は、743薬局(法人673、個人70)。
厚生労働省が11月17日に公表した「2004年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、2004年12月31日現在、届出のある薬剤師数は24万1369人で、2年前より1万1625人(5.1%)増加したことがわかった。
全薬剤師のうち、薬局薬剤師は11万6303人(構成割合48.2%、このうち勤務者は9万6368人)、病院・診療所の調剤業務従事者は4万5711人(同18.9%)だった。約5割を占める薬局薬剤師数の年次推移を見ると、医薬分業が進んだ1996年頃から、薬局薬剤師が2年で1万人超というハイペースで増加していた。
厚生労働省は11月21日、薬局を含め医療機関などによるレセプト請求を原則としてオンライン化する方針を示した。2011年には原則すべての医療機関にオンライン請求を求めるよう、来年度に関係省令や通知を改正し、オンライン化でのレセプト請求を解禁する。
厚労省では、まず比較的IT化の進んでいる大病院や薬局から着手し、段階的にオンライン化を進める予定。厚労省保険局の調べでは、薬局のレセプト電算処理システムの普及率は、今年7月時点で54.0%。
社会保障審議会の医療部会および医療保険部会は、11月24日、25日に開催された各部会で、次期診療報酬(調剤報酬)改定の基本方針をまとめた。同基本方針は、両部会が連名で中医協に提出する予定。
基本方針で示した改定の視点は、患者から見てわかりやすく、患者のQOLを高める医療を実現する視点、質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点、今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点、医療費の配分の中で効率的余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点――の4点。具体的項目としては、「かかりつけ薬局の本来の趣旨に即した適正な評価の在り方」が検討課題に挙げられた。