2006年1月1日号
ハイリスク成分は薬剤師対応を明記
〜厚労省「医薬品販売制度改正検討部会報告書(案)」
過去最大の3.16%引き下げ
〜政府「診療報酬改定率」
1月11日の中医協で諮問
〜中医協「総会」
専門薬剤師養成研修に1.1億円
〜厚生労働省「2006年度予算案」
厚生労働省の厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会は12月15日、一般用医薬品販売制度について、一般用医薬品のリスク分類やリスク程度に応じた情報提供等を盛り込んだ報告書をまとめた。
報告書では、医薬部外品を除く一般用医薬品を、リスクが特に高い成分を「第1類」、まれに入院相当以上の健康被害が生じる可能性のある成分を「第2類」とし、それ以外を「第3類」と分類。第1類の成分を含む一般用医薬品については、薬剤師が直接対応して「積極的な情報提供」を必ず行なうよう義務付けるべきとした。第2類の成分を含有するものについては、新設する薬剤師以外の「専門家」も対応できるようにする。
「専門家」の具体的な要件等は明記されなかったが、情報提供や相談応需を適切に行なえる資質を備えていることが必要で、都道府県の実施する確認試験で資質を担保する方針。
次期診療報酬の改定率は、本体部分で1.36%、薬と材料で1.8%、全体で3.16%引き下げることが12月19日の閣僚折衝で決まった。2002年度改定の▲2.7%を0.46ポイント上回る過去最大の引き下げ率。
診療報酬本体部分1.36%の内訳は、医科・歯科:それぞれ▲1.5%、調剤:▲0.6%。薬価改定等では、医薬品:▲1.6%(薬価ベースで▲6.7%)、医療材料:▲0.2%となった。
一方、同時改定の介護報酬は、在宅分で▲1%(軽度:▲5%、中重度:+4%)、施設で±0%で、全体では▲0.5%に決まった。施設分が据え置きとなったのは、今年10月の居住費・食費の自己負担化が▲4%に相当するため。
厚生労働省は12月21日の中医協・総会に、次期診療報酬改定までのスケジュール案を提示した。
それによると、厚労相からの諮問は1月11日。1月中旬までに「現時点の骨子案」をまとめ、それについて1月下旬までパブリックコメントを実施する。そこで寄せられた意見を踏まえて、2月上旬から中旬にかけて個別点数の議論に入る。2月中旬から下旬に答申し、診療報酬点数の告示・通知等は2月下旬から3月上旬になる見込み。作業手順はこれまでと異なるが、施行は例年どおり4月1日としている。
厚生労働省は2006年度から、一定の実務経験を有する勤務薬剤師を「専門薬剤師」として養成する。専門薬剤師とは、がん薬物療法等の専門分野における高度な知識や技能を有する薬剤師のことで、06年度の予算に、養成研修の実施として1.1億円を新規計上した。
また、13億円を計上して「がん対策情報センター(仮称)」を国立がんセンター内に設置する。センターでは、がん診療に関する最新情報や基礎データを収集・蓄積・分析して、利用者の立場で整理した情報提供を行う。