2006年4月1日号
青森県が脳血管疾患と大腸がんの死亡率トップ
〜厚労省「都道府県別死因の分析結果について」
リスクレベルに応じた生活習慣改善プログラムを提供
〜厚労省「健診・保健指導の在り方検討会/保健指導分科会」
レセ電算導入薬局は08年度からオンライン請求可能
〜厚労省「療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令案」
厚生労働省は3月13日、死亡率に地域の年齢構成を加味した標準化死亡比をもとに、脳血管疾患や心疾患など11疾患ごとに都道府県別の死亡率を比較した「都道府県別死因の分析結果について」を公表した。
それによると、青森県は、男女ともに脳血管疾患と大腸がんで全国トップ。さらに、糖尿病(男性2位、女性1位)や肺炎(男性2位、女性3位)、心疾患(男性1位、女性6位)などの死亡率も高く、肝がんと子宮がんを除く9疾患が全国6位以内だった。
一方、沖縄県は、男性の肺がん(5位)や前立腺がん(10位)、女性の子宮がん(2位)や糖尿病(5位)、肺がん(9位)の死亡率が高いものの、脳血管疾患(男性41位、女性47位)や心疾患(男性45位、女性47位)、胃がん(男女共に47位)など、日本人の死亡率が高い疾患で、死亡率が低い傾向が見られた。
メタボリックシンドロームに着目した健診や保健指導への転換について検討している厚生労働省の「標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会」は、3月15日に保健指導分科会の初会合を開き、「標準的な保健指導プログラム」の作成に着手した。
保険者が主体となって行う新たな保健指導は、健診で生活習慣病予備群とされた人を、健診結果と問診から<1>情報提供、<2>動機づけ支援、<3>積極的支援の3段階に階層分けし、各段階に応じたプログラムを個別面接やITを用いて提供する。健診の付加的な位置付けだった従来の保健指導とは視点を変え、発症予防の観点から、生活習慣の改善や継続的なサポートを行って、糖尿病等の有病者・予備群25%減を目指す。
情報提供 | 動機づけ支援 | 積極的支援 | |
支援の特徴(目指すところ) | 生活習慣病についての理解を深め、自らの生活習慣を見直すきっかけとなる支援 | 保健指導終了後、すぐに実践(行動)に移り、継続できるような支援 | プログラム中:実践に取り組みながら自己効力感を高める支援 終了後:継続できるような支援 |
期間 | 1回 | 30分程度〜1日 | 3カ月〜6カ月程度 |
支援形態 | 紙媒体、IT、結果説明会等 | 個別面接、集団指導、IT(双方向)等 | 個別面接、集団指導、通信、IT等 |
政府が2011年度当初までにレセプト請求を完全オンライン化する目標を掲げているのに対し、厚生労働省は「療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令案」で、08年度から順次、対応可能な医療機関や保険薬局にオンライン請求を認めていく方針を示した。これにより、レセプト電子請求機能(レセ電算)等のあるレセコンを使用している400床以上の病院や保険薬局は、08年度からオンライン請求が可能になる。
2008 | 2009 | 2010 | 2011〜(年度) | ||||||||
<1> | レセコン有 | 09.4.1 | |||||||||
<2> | レセコン無(<3>を除く) | 11.4.1 | |||||||||
<3> | レセコン無+少数該当+既設 | 11.4.1〜2年以内の範囲で別に定める日 | |||||||||
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また、施設単独ではオンライン請求への対応が難しいケースも想定されることから、医師会や薬剤師会等が代行して請求を行うためのインフラ整備も進められる。