2006年4月15日号
自治体の集団健康教育は7割が“一般的”
〜厚労省「2004年度地域保健・老人保健事業報告の概況」
日薬が一般からのクレームを公表
〜日薬「薬局・薬剤師に対する苦情・意見について」
薬剤師国試験合格率は10ポイント低下
〜厚労省「薬剤師国試の合格発表」
自治体が40歳以上の住民を対象に実施する「集団健康教育」は、2004年度に全国で30万6242回開催され、その7割弱が生活習慣病を予防するための日常生活上の心得や健康増進の方法、食生活のあり方など“一般的”な内容だったことが、厚生労働省の調査でわかった。一方、肥満や高血圧、心臓病等と個人の生活習慣との関係を盛り込んだ“病態別”の内容は、約2割にとどまっていた。集団健康教育の1回当たり平均人数は、一般的な内容が27.2人、病態別の内容が25.8人だった。
日本薬剤師会は4月5日、2005年度に患者から受けたクレームの代表的なものを公表した。クレームは、薬剤師の対応に関するものと、薬局の構造等のハード面に対する要望に大別できる。
薬剤師の対応に関するものでは、「処方量がいつもより多かったので薬局に電話したら、『薬局に言われても困る』と言われた」、「虫が混入していたが、謝らない上に、もう一度薬局に来てくれと言われた」などで、薬局や薬剤師のミスそのものに対する批判よりも、患者からの指摘に対し誠実さが見られないことがクレームになっている傾向が見られる。
ハード面については、薬局内が禁煙でないことや患者のプライバシーに配慮した構造でないことへの改善を求める声が目立つ。そのほか、お薬手帳への記載や薬剤の説明書が有料であることに対する説明がないなど、支払い面に関するもの等も寄せられていた。
4月6日に薬剤師国家試験の合格発表があり、新たに8202人の薬剤師が誕生した。出題基準が変わった前回の国試は、前々回よりも合格率が6ポイント上昇したが、今回は前回より10ポイント低い 74.25%だった。合格率が下がった要因は公表されていないものの、前回は新卒者:93.29%、既卒者:58.50%といずれも高い合格率だったのが、今回は新卒者:85.16%、既卒者38.67%といずれも大幅に低下した。
一部報道で、私立大学が国試に合格できそうにない学生に国試を受けさせないなどして、大学別合格率を“操作”していることが指摘されているが、大学別合格率では、トップ(90.76%)も最下位(34.12%)も私立大学だった。