2006年5月15日号
目標値知らない患者の7割が降圧は医師に任せきり
〜ファイザー「高血圧に関する実態調査」
パッチ使用の禁煙指導は“自由診療”
〜厚労省「2006年度診療報酬改定疑義解釈資料」
40〜74歳の4割以上がメタボリックシンドロームの疑い
〜厚労省「2004年国民健康・栄養調査結果の概要」
高血圧で治療・服薬中に、降圧目標値を医師から知らされたことがない患者は血圧コントロールについての意識が低く、69.6%が“医師任せ”(「医師に任せているので考えたことがない」と「わからない」の計)だったことが、ファイザーの調査(n:40〜60代の男女316人)でわかった。一方、医師から降圧目標値を知らされている患者の血圧コントロール意識は高いものの、63.3%は目標値より自身の血圧値が高くても「問題のない範囲」と考えていた。
また、血圧コントロール治療の参考となる家庭での測定値を通院ごとに毎回伝えている患者は39.8%に上るが、「医師から求められたときだけ伝えている」(15.7%)、「いつもと違う値が出たときだけ伝えている」(7.2%)など、自分から伝えない患者も少なくなかった。
厚生労働省は2006年度診療報酬改定に関し、第5弾となる疑義解釈資料を4月28日付けで地方社会保険事務局等に事務連絡した。今改定で、医科診療報酬に「ニコチン依存症管理料」が新設され、5回にわたる医師の禁煙指導が保険適用となったが、禁煙補助剤(ニコチンパッチ)は保険適応されていない。このことから、Q&Aでは、パッチ代の徴収の有無に関わらず、「パッチを使用する禁煙指導はすべて自由診療になる」との解釈を示した。
なお、厚労省では、ニコチンパッチを健康保険の対象とする検討に入っており、中央社会保険医療協議会の承認を得た上で、早ければ月内にも保険適応になる予定だ。そうなれば、現在、禁煙補助剤の費用として、標準的な12週間禁煙プログラムで3〜4万円程度かかっているのが、3割負担の患者で1〜1万3000 円程度の負担で済む見通しとなっている。
厚生労働省が5月8日に公表した「2004年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、生活習慣病を引き起こしやすいメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準のひとつである腹囲の基準値(男性85cm以上、女性90cm以上)をオーバーし、さらに血中脂質・血圧・血糖のうち2つ以上リスクがある40歳から74歳の人の割合は、男性 44.1%、女性44.4%だったことがわかった。
調査では、2つ以上のリスクがある人を「メタボリックシンドロームが強く疑われる(有病者)」としているが、40歳から74歳の有病者数は全国で約940万人に上ると推計している。