2006年7月1日号
処方せん様式変更の影響について特別調査実施を予定
〜中医協「第5回診療報酬改定結果検証部会」
レセプト様式変更などの規制改革を要望
〜経団連「2006年度規制改革要望」
1000万円以上の高額レセプトが115件で過去最高
〜健保連「2005年度高額レセプト上位の概要」
今回の改定が医療費等に与えた影響を検証するため、公益委員を中心に検証に必要な調査や方法などを検討している中医協の「診療報酬改定結果検証部会」は6月7日、社保事務局への届出状況や既存調査のみでは検証が不十分な項目について、特別調査を実施する方針を決めた。
特別調査は、今回の改定で新設された項目のうち、社会的な関心が高い「医療費の内容の分かる領収証の発行」や「後発医薬品の使用促進のための環境整備(処方せん様式の変更)」など、社保事務局への届出状況や既存の調査からでは検証が不十分なものについて実施する。後者については、(1)月当たり受付枚数、チェック数、(2)後発医薬品への変更患者数、(3)医療機関への情報提供の実施状況――について保険薬局にアンケート調査を行い、回収した調査票をもとに詳細な状況を把握する。
経団連は6月22日、レセプト様式の変更などを盛り込んだ2006年度の規制改革要望をまとめた。
要望書では、2011年度からレセプトのオンライン請求が義務化されることに備えて、(1)傷病名と診療行為のリンク付け、(2)医科・歯科レセプトと調剤レセプトとのリンク付け、(3)市町村助成制度への対応――に対応したレセプトの様式への変更を要望。精度の高い医療費分析や疾病予防を含めた医療の質的向上などには、傷病名と投薬を含む診療行為のリンク付けのほか、医科・歯科レセプトと調剤レセプトの突合によって得られたデータの活用が期待されていることから、調剤レセプトへの医療機関コード記載の義務化を求めた。
健康保険組合連合会が6月21日に発表した「2005年度高額レセプト上位の概要」によると、2005年度に1カ月の医療費が1000万円以上だった高額レセプトは、前年度より26件増加して過去最高の115件となったことがわかった。
1000万円以上の高額レセプトが100件を超えたのは、01年度、03年度についで3度目。さらに、2000万円超の高額レセプトも過去最高の14件となった。500万円以上のレセプトは年々増加傾向が続いており、05年度は、2504件で過去最高だった。
05年度の最高額は「血友病A」の20歳男性で、月額医療費は3495万3330円、診療期間137カ月(94年6月〜05年10月)の総医療費は6億2606万5750円だった。