2006年9月1日号
22府県で全レセプト対象に縦覧点検
〜厚労省「老人レセプト点検調査等の実施状況報告書」
肩こりや歯痛等を心臓病の症状と認識していない人が6割超
〜J&J「心臓に関する意識調査」
生活習慣病3疾患の使用薬剤上位は共通の傾向
〜健保連「適正な薬剤使用に関する調査研究事業」
2004年度の老人レセプト3億8645枚のうち、レセプト点検で過誤調整依頼となったのは868万件で、前年度を69万件(7.4%)下回ったことが、厚生労働省がまとめた「老人医療診療報酬明細書点検調査等の実施状況報告書(平成16年度)について」でわかった。それによると、過誤調整依頼に基づき減額となったレセプトは、調整依頼件数の68.9%にあたる598万件(対前年度比4.0%減)で、過誤調整額は1010億円(同7.3%減)だった。
また、大阪府や新潟県など22府県では全レセプトを対象に縦覧点検を実施しているが、広島県や埼玉県では縦覧点検を実施するレセプトは7割未満にとどまっていた。
ジョンソン・エンド・ジョンソンが8月10日の「健康ハートの日」にちなんで実施した調査(n=1200人)で、肩こりや歯痛、胸痛、背中の痛み、首の痛み、胃痛などが心臓病の症状として現れることがあることを「知らない」人が32.7%、「あまり知らない」人が34.8%に達していることがわかった。さらに、心疾患(心臓病)が国内の死因第2位(第1位はがん)であると知らない人が全体の半数以上、20代男性と30代女性では7割以上に上っていた。
調査によると、心臓に圧迫感や動悸などの異常を感じたときに、最初の受診先として選択するのは行きつけの開業医(28.5%)や近くの内科(20.2%)で、狭心症・心筋梗塞と診断された後は総合病院の循環器科(34.3%)や循環器科(19.7%)、大学病院の循環器科(18.7%)を受診する傾向が見られた。
健保連は、レセプトの総点数、薬剤点数、後発品の使用割合、使用薬剤、疾患別点数、疾患別薬剤点数、疾患別後発品の使用割合、疾患別投薬日数等について、院内投薬と院外投薬、病院と診療所間で比較分析した「適正な薬剤使用に関する調査研究事業」最終報告書をまとめた。解析対象レセプトは、診療所が4万2315枚(院内:1万7345枚、院外・調剤:2万4970枚)、病院が1万6564枚(院内:6287枚、院外・調剤:1万277枚)。
それによると、注射剤を除いた薬剤点数は、うつ病と高脂血症については診療所よりも病院、院外よりも院内が高いが、高血圧症と糖尿病については、診療所では院外、病院では院内が高いことがわかった。また、高血圧症、高脂血症、糖尿病については、各疾患の薬剤比率トップ10のうち、ノルバスク、ブロプレス、アムロジン、メバロチン、リピトールの5剤が共通していた。