2006年9月15日号
睡眠薬の使用頻度高い人に“うつ症状”
〜GSK「睡眠薬の服用と“うつ症状”に関する調査」
3日間限定で医療者の本音に電話対応
〜COML「医療者のホンネと悩みホットライン」
生活習慣に関連する検査項目すべてが悪化傾向
〜人間ドック学会・日本病院会「2005年人間ドックの現況」
睡眠薬を服用している人の半数近くに“うつ症状”(うつ病およびうつ状態)があり、睡眠薬の使用頻度が高いほどその傾向が高まることが、グラクソ・スミスクラインが実施した調査(n=睡眠薬服用者〔うつ病患者と抗うつ薬服用者を除外〕:214人、非服用者:513人)でわかった。調査によると、“うつ症状”がある人の割合は、睡眠薬非服用者が 14.8%なのに対し、服用者では32.2%と2倍以上にのぼっていた。さらに、睡眠薬服用者の23.4%は「ほとんど毎日」服用しており、このうち 48.0%に“うつ症状”が見られた。
睡眠薬服用者のうち“うつ症状”を伴う人は、「いつも自分から睡眠薬の処方を依頼」している人が56.8%と過半数だが、これらの多くは不眠以外の相談を医師にしていなかった。
患者の医療不信をあおるような医療事故に関する報道の影響等で権利意識を拡大解釈する患者や家族が増加し、医療現場では、患者に対して防衛的になり、萎縮医療につながっているケースが見られる。このような相互不信の状況ではよりよい医療が望めないことから、NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLは、10月14日から16日の3日間限定で医療者の本音を掘り起こすホットラインを開設することを決めた。
電話相談にはCOML会員の医療管理職のほか、弁護士も応対する体制を整え、法的問題にも対応可能。
電話番号:06−6365−6225
受付時間:10:00〜19:00(16日のみ17:00まで)
2005年に人間ドックを受診した267万1644人のうち、87.7%に何らかの異常があったことが、日本人間ドック学会と日本病院会のまとめた「人間ドックの現況」でわかった。
ライフスタイルに関連の深い6項目(肥満、耐糖能異常、高血圧、高コレステロール、高中性脂肪、肝機能異常)の異常割合はすべて前年度を上回って調査開始以来最高となり、健康度の悪化が浮き彫りになった。これら6項目に異常がある人を性別・年代別に見ると、高コレステロールを除いて女性より男性の方が異常頻度が高いほか、加齢とともに異常頻度が高くなる女性に対し、男性は耐糖能異常と高血圧以外は“働きざかり”の40〜50歳代でピークを迎え、60歳以降は低下する傾向が見られた。
■年代別異常者頻度
39歳以下 | 40〜49歳 | 50〜59歳 | 60歳以上 | 計(平均) | |
対象人数 | 486,815人 | 821,787人 | 907,730人 | 455,312人 | 2,671,644人 |
肥満 | 97,890人 20.1% | 198,038人 24.1% | 220,282人 24.3% | 99,332人 21.8% | 615,542人 23.0% |
耐糖能異常 | 18,240人 3.7% | 70,928人 8.6% | 150,982人 16.6% | 93,073人 20.4% | 333,223人 12.5% |
高血圧 | 21,504人 4.4% | 87,278人 10.6% | 178,118人 19.6% | 125,560人 27.6% | 412,460人 15.4% |
高コレステロール | 73,437人 15.1% | 190,160人 23.1% | 278,101人 30.6% | 139,475人 30.6% | 681,173人 25.5% |
高中性脂肪 | 53,279人 10.9% | 128,311人 15.6% | 150,955人 16.6% | 68,907人 15.1% | 401,452人 15.0% |
肝機能異常 | 97,736人 20.1% | 224,746人 27.3% | 266,148人 29.3% | 122,259人 26.9% | 710,889人 26.6% |
人間ドック学会公表資料をもとに作成