2006年11月1日号
健康でも4〜5割は「運動習慣なし」
文科省「2005年度体力・運動能力調査」
口頭説明だけでは意味を思い浮かべることも困難
アストラゼネカ「がんに関する医療用語調査」
SJSなど9疾患の重篤副作用対応マニュアルまとまる
厚労省「第2回重篤副作用総合対策検討会」
毎週運動する習慣のある人は、健康状態が良好で体力にも自信があることが、文部科学省の「2005年度体力・運動能力調査」(n=7万1542人)で分かった。同調査は、小学生から79歳までの高齢者の体力や運動能力などを毎年測定しているもの。
調査では、体育の授業や部活動がなくなる20歳以上の人には、運動・スポーツの実施頻度別に健康状態と体力に関する意識を聞いているが、それによると、男女とも運動習慣がある人ほど「大いに健康」で「体力に自信」がある傾向が見られた。ただ、「大いに健康」と回答した男性の2割弱および女性の3割超、「まあ健康」と回答した人(男女とも)の5割超にはほとんど運動習慣がなく、健康維持のための定期的な運動が浸透しているとはいえない結果だった。
「エビデンスに基づいた治療」、「適応外使用」など、“エビデン(EBM)”や“適応外”などの用語は医療現場には浸透しているものの、患者の理解度はあまり高くないことが、アストラゼネカの「がんに関する用語の理解度調査」(n=患者50人を含む200人)でわかった。調査対象の100語には、がん医療に限らず一般的な診療や薬局での対応でも使われる用語が含まれているが、カタカナ表記した用語から思い浮かぶ意味を自由に記載してもらったところ、「禁忌」や「耐性」、「適応外」などに何らかの記載をした人は50%に満たず、「エビデンス」や「作用機序」、「QOL」などについては20%にも達しなかった。
その他の用語の自由回答率など調査結果の詳細は、同社ウェブサイト「がんになっても」(http://www.az-oncology.jp/)および「MediChannel」(http://med.astrazeneca.co.jp/)に掲載。
厚労省は10月19日に開催された「重篤副作用総合対策検討会」で、(1)スティーブンス・ジョンソン症候群、(2)中毒性表皮壊死症(中毒性表皮壊死融解症)、(3)間質性肺炎、(4)急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群(急性呼吸促迫症候群)、(5)非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作、(6)薬剤性パーキンソニズム、(7)質脳症、(8)黄紋筋融解症、(9)偽アルドステロン症――について、患者向けと医療関係者向けのマニュアル原案を提示した。
患者向けでは、副作用の初期症状への“気付き”に重点が置き、医師や薬剤師、看護師等の医療関係者向けでは、副作用の判別基準(判別方法)や原因となった医薬品、治療方法、典型的症例概要などが盛り込まれている。
マニュアルは厚労省や医薬品医療機器総合機構のホームページで年内に公開する予定。