2006年12月15日号
薬価等に“抑制の余地ある”と答申
財政審「2007年度予算の編成等に関する建議」
生活習慣病の患者数が増加
厚労省「2005年患者調査の概況」
禁煙指導やパッチの保険適用「知らない」が7割
ノバルティス ファーマ「禁煙成功者vs喫煙者 追跡調査」
財務相の諮問機関である財政制度等審議会は11月22日、今後5年間を徹底した歳出削減に取り組む「歳出改革」期間とし、その初年度に当たる2007年度は、「聖域を設けることなく、徹底した歳出削減に取り組む必要がある」とする建議をまとめ、尾身財務相に答申した。
建議では、医療給付費について、06年度改定と制度改革によって「一定の抑制が図られる見込み」ではあるものの、団塊の世代が65歳を迎える2012年度以降を見通した更なる改革を早急に行う必要があるとしている。さらに、老人1人当たり医療費や病床数の地域格差、先発品と後発品の価格差などを挙げ、「医療給付費の抑制の余地はある」との観点から、医療給付費の抑制等に取り組むことを強調している。
厚生労働省が12月8日に公表した「2005年患者調査の概況」によると、高血圧性疾患が780万9000人(2002年調査比82万4000人増)、糖尿病が246万9000人(同18万5000人増)など、生活習慣病の患者数が増加傾向にあることがわかった。
外来患者数を傷病分類別にみると、病院は循環器系の疾患(15.4%)や筋骨格系及び結合組織の疾患(12.1%)が3割近くを占めているが、外来化学療法加算を算定する病院が05年には960病院にまで拡大した影響で、新生物(8.7%)の患者数が多くなっている。一方、診療所では、筋骨格系及び結合組織の疾患(19.2%)、循環器系の疾患(16.8%)、呼吸器系の疾患(15.5%)で5割強を占めていた。
ノバルティス ファーマが実施した「禁煙成功者vs失敗者 意識と行動の追跡調査2006」(n=喫煙者7091人)によると、今年、禁煙にチャレンジした1209人のうち49.5%は、「気合とガマン」で禁煙に取り組んでいることがわかった。
禁煙成功率は、「気合とガマン」(44.5%)よりも「禁煙外来の受診」(69.2%)の方が高い結果が出ているものの、禁煙方法としては2.2%しか選んでいなかった。禁煙指導やニコチンパッチの保険適用については、禁煙チャレンジャーの70%以上が知らないと答えている。