2007年1月1日号
一時的な言語障害等では6割が未受診
サノフィ・アベンティス「脳梗塞に関する知識と対応調査」
「鎮痛」をアセトアミノフェンの効能・効果に追加
厚労省「第3回小児薬物療法検討会議」
2007年度薬価改定は見送り
中医協「第36回薬価専門部会」
脳梗塞の前駆症状である一過性脳虚血発作(TIA)の原因や症状を知っている人は2割に満たず、それを引き起こすアテローム血栓症については7割以上が「まったく知らなかった」ことが、サノフィ・アベンティスの「脳梗塞に関する知識と対応調査」(n=1000人)でわかった。
高血圧症や糖尿病、高脂血症などの合併症としても発症しやすいTIAだが、調査では、言語障害や視覚異常、知覚障害等を経験した人の6割以上が、その後症状が治まったために受診しなかったと回答しており、TIAの症状や脳梗塞への移行率の高さが十分に知られていないことが浮き彫りになっている。
小児薬物療法の有効性・安全性に関するエビデンスの収集・評価、医療従事者への情報提供などについて検討している「小児薬物療法検討会議」は12月12日、日本外来小児科学会が提出したアセトアミノフェンの小児療法に関する報告書を了承した。
その中で、「解熱」については、現在、ドライシロップ、シロップ、坐剤で効能・効果が明示されているが、これを末、細粒、錠にも拡大する。また、臨床現場では小児の頭痛や咽頭痛、術後の疼痛などの痛みに対しても頻繁に処方されていることから、「鎮痛」を効能・効果に追加するよう求めている。
乳児、幼児および小児に対する用法・用量は「体重1kgあたり1回10mg〜15mgを使用する。使用間隔は4〜6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする」などとなる予定。
2006年7月から、薬価改定を毎年実施することも視野に入れた薬価算定基準の在り方について議論を重ねてきた中医協・薬価専門部会は、12月20日、診療側・支払側・業界代表の意見が集約できていないことから、07年度薬価改定の見送りを正式に決めた。09年度改定については、未妥結・仮納入などの流通問題と併せて「引き続き検討」されることになる。
07年度の改定見送りを決めた同日の部会では、技術的な面で毎年改定が可能なのか、改定に伴うコストをどうするか――などについて、期限を設けて検証し、その結果をもとに08年度改定をどうするか考えるべきとの指摘や、製薬企業や卸の意見だけでまとめるのは難しい状況であることから、見識者にヒアリングを行うなどの提案もなされた。