2007年3月1日号
麻薬の在宅使用を簡略化
厚労省「調剤薬局における麻薬管理マニュアル」
“高品質”に満足、“高価格”に不満
日本医療政策機構「日本の医療に関する世論調査」
登録販売者認定試験のGLを作成
厚労省「登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会」
厚労省はこのほど、在宅での疼痛管理に対するニーズが高まっていることから、在宅患者への適切な麻薬使用を推進するため、「麻薬管理マニュアル」の一部を改訂した。
具体的には、(1)麻薬小売業者は麻薬処方せんを持参した患者等以外の看護師、ホームヘルパー等に麻薬を手渡すことができる、(2)麻薬注射剤を患者さんに交付できる、(3)FAXで受信した麻薬処方せんにより調剤を開始できる、(4)麻薬製剤を破損等したときで廃棄する必要がある場合でも麻薬廃棄届や調剤済麻薬廃棄届は不要(事故届のみ提出)――等が明記された。
治療の質には満足しているが、医療制度の平等性や医療費の水準には不満――。日本医療政策機構が実施した「日本の医療に関する2007年世論調査」(n=1318人)で、質の高い医療に対する満足度が高いものの、それにかかる医療費負担を「高い」と感じている国民が多いことが明らかになった。
調査によると、現在の医療制度で満足(大いに満足+ある程度満足)な点は「診断・治療等の技術の質」(64%)である一方、不満(大いに不満+やや不満)な点としては、「医療費の水準(保険料・窓口負担等)」(63%)や「医療制度の平等性(貧富の差への配慮)」(65%)など負担に関するものが挙がっており、医療に対して“割高感”を感じている人が多いことがわかった。
4月1日施行予定の改正薬事法で、一般用医薬品の販売について、リスクに応じた情報提供と相談体制が義務付けられる。新販売制度でリスク分類B(リスクが比較的高い医薬品)とC(リスクが比較的低い医薬品)の情報提供・相談に対応する専門家として創設された「登録販売者」の試験範囲等に関するガイドラインを作成するための「登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会」が、2月20日に開催された。
登録販売者の試験・登録は都道府県が行うが、認定試験の水準などに格差が生じないように、ガイドラインは厚労省が作成する。同検討会では、(1)試験の出題範囲(試験項目とその知識範囲)、(2)実施方法(試験の実施頻度、出題形式、試験時間・問題数、合否の考え方)、(3)受験資格(受験要件、試験免除者の範囲)――について関係団体からヒアリングを行い、6月をめどに意見をとりまとめる予定。