2007年7月1日号
CU制度の導入をおおむね了承
厚労省「第7回有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」
薬剤師の適合率が初めて90%台に
厚労省「医療法第25条に基づく立入検査結果(2005年度)について」
07年度はGEの処方を希望しない理由も調査
中医協「第13回2006年度診療報酬の改定結果検証部会」
厚労省の「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」は6月14日、未承認薬を人道的な見地から治療目的で患者に提供することを認めるコンパッショネート・ユース(CU)制度の導入について議論した。検討課題は残るものの、CU制度の導入には了承した。
対象とする未承認薬は、「重篤な疾病を対象とするもので他に代替治療法がない医薬品」かつ「国内で治験実施中または欧米で承認済みの医薬品」とするが、通常の医薬品とは違って国の承認を得ていないことから、副作用被害救済制度の対象にはなりえない。そのため、国の役割として、(1)CU制度の対象であることの確認、(2)海外規制当局による公衆衛生上の措置に関する情報収集、(3)対象薬を取り扱うメーカーや医師からの副作用報告を受け、必要に応じて使用中止等の勧告を実施――を挙げた。
一方、未承認薬を提供するメーカーには、(1)提供する医療機関、医師、患者の特定、(2)提供する医療機関、医師との必要な取り決め、(3)未承認薬の製造、輸入、販売や中止に対する行政手続き、(4)品質確保、(5)副作用の発生を知った場合の行政への報告――を挙げた。
医療法に規定する薬剤師の人員配置基準に適合する病院は前年度より1.1ポイント上昇して90.7%になったことが、6月15日に厚労省が発表した立入検査の結果で明らかになった。これまで80%台が続いていた適合率が初めて90%台になったことからも、医療安全に対する意識の高まりやチーム医療で薬剤師の果たす役割が重要視されていることがわかる。
ただ、医師ほどではないものの地域偏在の傾向があり、近畿(96.3%)と北海道・東北(86.2%)では10ポイントの差があった。
6月20日の中医協・2006年度診療報酬の改定結果検証部会は、06年度に引き続いて今年度も後発医薬品の使用状況に関する調査を実施することを決めた。
今年度調査の特徴は、医療機関や医師を調査対象に加える点で、後発医薬品を含む処方せんの発行枚数や後発医薬品に関心を持っている患者の割合、後発医薬品に対する医師の意識などを明らかにする。薬局調査は、06年度調査をベースに、「後発医薬品への変更可」欄に処方医の署名等がある処方せんを持参した患者に対して、後発医薬品についての説明をしたにもかかわらず後発医薬品の処方を希望しなかった患者数とその理由も調査内容に加えている。