薬局版ヒヤリ・ハット事業に7000万円を計上

厚労省「08年度医薬分業推進関係予算概算要求」

　厚労省医薬食品局は2008年度の医薬分業推進関係予算概算要求をまとめた。要求額は前年度比2.5％増の3億6182万9000円で、薬剤師養成事業費に2億7211万3000円（前年度比3.3％増）、医薬分業推進費に8億33万4000円（同533.7％増）などを計上。
　新規事業としては、調剤ミスの原因分析・事故防止を目的とした「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」（6916万円）を挙げた。これは、日本薬剤師会が厚生労働省補助金事業として05年度から取り組んでいるもので（05年度は同事業導入検討費として200万円が補助）、ヒヤリ・ハット事例収集を全国規模で実施することを想定している。

1人当たり老人医療費の地域較差は最大1.52倍

厚労省「2005年度老人医療事業年報」

　厚生労働省が発表した「2005年度老人医療事業年報」によると、05年度の老人医療受給対象者数は1417万6000人だったことがわかった。02年度の老人保健法改正で、老人医療対象年齢が70歳から75歳に5年間で1歳ずつ引き上げられていることから、対前年度比66万1000人減（4.5％減）となった。
　老人医療受給対象者数は減少したものの、老人医療費総額は対前年度比680億円増（0.6％増）の11兆6443億円だった。
　老人医療費の内訳は、診療費9兆4441億円（前年度比0.0％増）、薬剤支給総額1兆5777億円（同4.2％増）、食事療養4679億円（同0.5％増）、老人訪問看護205億円（同7.5％増）などとなっていた。1人当たり老人医療費は82万1403円（同5.3％増）だが、都道府県間の格差が大きく、実額が最も高い福岡県の101万9650円と最も低い長野県の67万2853円では、34万6798円、1.52倍の格差があった。また、対前年度比は、沖縄県が7.7％増と大幅な伸びだった以外は3〜6％台の伸び率だった。

患者が服用薬の情報を確認できる仕組みを評価

社保審「第11回後期高齢者医療に関する特別部会」

　来年4月からスタートする後期高齢者医療制度の診療報酬体系の骨子案（たたき台）が9月4日の社保審「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」に示された。
　たたき台では、患者の病歴や服薬状況などを一元的に把握する「主治医」を中心に、医療関係者の連携や情報共有等によって、頻回受診や重複投薬などを抑制する方針が示されている。
　また、後期高齢者は服薬する薬の種類数が多いほか、入退院が少なくないことから、服薬に関わる医療関係者が多くなる傾向を指摘し、外来医療では、服用している医薬品の情報を医師や薬剤師、看護師などの医療関係者や患者自身が確認できる仕組みを評価する方針。具体的には、お薬手帳や服薬カレンダーの活用を想定している。