2007年11月1日号
後発医薬品の促進策巡って紛糾
中医協「第102回基本小委」
家族への“飲ませ忘れ”防止対策を評価
中医協「第104回基本小委」
06年度は薬局数が5万カ所に増加
厚労省「2006年度保健・衛生行政業務報告(衛生行政報告例)結果の概況」
厚労省は10月17日、後発医薬品の使用促進策として、処方医に疑義照会せずに銘柄変更を可能にすることなどを中医協・基本小委に提案した。
日医委員は厚労省が示した促進策に対して、「処方医に疑義照会しなくてもいいというのが一番の問題。処方権の侵害」と反発したが、厚労省は「後発品の銘柄にこだわらない医師がほとんど。いちいち聞いてくるのは煩わしいという声も多い」と説明した。
その他、処方せん様式を「変更不可」なものにチェックする仕組みに変更する案については、診療側から「たびたび変更しては現場が混乱する」などの反対意見が挙がった一方、支払側からは「変更不可にチェックする方が論理的」など変更を支持する意見が出た。
中医協・診療報酬基本問題小委員会は10月26日、後期高齢者の在宅医療について議論した。
社保審の特別部会がまとめた「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」で示された方向性をもとに厚労省が6項目の論点を提示。このうち在宅医療における服薬支援について、後期高齢者は服用する薬剤の種類が多いほか、認知症などを有する場合もあることから、薬の飲み忘れや飲み残しなどの防止対策を課題に挙げた。現行の「在宅患者訪問薬剤管理指導料」でも在宅療養の患者に対する薬学的管理・指導が評価されているが、薬の一包化や服薬カレンダーの活用などによって、家族や介護者の “飲ませ忘れ”を防ぐ取り組みを新たに評価する方針。
そのほか、病状が変化して臨時の処方が行われたときの調剤や、医師等の急な求めに応じて薬剤師が患者宅を訪問した場合も評価するとしている。
厚労省は10月19日、2006年度の「保健・衛生行政業務報告(衛生行政報告例)結果の概況」を発表した。それによると、06年度末現在の全国の薬局数は前年度より1.3%(719カ所)増加し、5万1952カ所だった。人口10万人に対して40.7カ所の薬局がある計算。
都道府県別に人口10万対薬局数を見ると、分業先進地域(分業率70%超)の秋田県や佐賀県は薬局数も全国平均を上回っているが、同じく分業率が70%を超えている神奈川県では37.4カ所で全国平均に満たないほか、分業後進地域(分業率30%台)の徳島県は全国平均を上回る48.3カ所だった。