2008年2月1日号
繰入金を除くと3000億円超の赤字
厚生労働省「2006年度国民健康保険(市町村)の財政状況について」
次期改定の骨子案でパブコメ実施
中医協「2008年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」
導入メリットを強調した中間報告を公表
厚労省「社会保障カード(仮称)の基本的な構想に関する報告書」
厚労省は1月11日、2006年度の国民健康保険の財政状況(速報値)を公表した。それによると、一般や退職、介護を合わせた収支は、12兆972億円の収入に対して11兆9601億円の支出となり、差引1371億円の黒字になるが、赤字補填を目的とした一般会計からの繰入金を除くと、単年度で3236億円の赤字になることがわかった。
財政状況は依然として一般会計への依存が大きいが、保険料(税)の収納率は前年度に引き続く上昇により、90.39%になった。対前年度比0.24%増は、1972年以来34年ぶりの大幅な上昇。
中医協は1月18日、2008年度診療報酬(調剤報酬)改定に関する「現時点の骨子」をまとめ、パブリックコメントを実施した。
次期改定の緊急課題は、産科・小児科をはじめとする勤務医の負担軽減。「現時点での骨子」には、急性期病院の医師の事務作業を補助する医療クラークの配置や診療所の夜間診療を評価する方針を盛り込んだ。その財源として提案されている診療所と病院の再診料の格差是正については、診療側と支払い側の意見の隔たりが大きいことから、両論併記とした。
調剤報酬については、薬剤服用歴管理料と服薬指導加算を統合する。また、後発医薬品の使用促進策として処方せん様式を変更するほか、薬局の調剤基本料を見直し、後発医薬品の調剤率が30%以上の場合を評価する。
パブコメの結果は、1月末か2月初めの中医協で公表予定。
厚労省の「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」は、これまでの議論を踏まえ、カードの基本的な構想に関する中間報告を取りまとめた。
1月25日に公表した同報告書では、新たに導入する「社会保障カード(仮称)」を年金手帳・健康保険証・介護保険被保険者証の役割を果たす1人1枚のカードと想定。導入のメリットとして、カードのICチップを読み取ることで、医療機関等の窓口で資格確認ができることやレセプトに資格情報を自動で転記できることなどを挙げている。また、4月からスタートする特定健診情報やレセプト情報を、利用者が自宅のパソコンなどからオンラインで閲覧できる仕組みも導入とするとしている。
検討会では今後、2011年度の導入を目指して、費用等を含めた選択肢を整理し、具体的な仕組みについて議論する。