2008年6月15日号
40都道府県で「がん対策推進計画」を策定
厚労省「全国がん対策関係主管課長会議」
アダリムマブを在宅自己注射対象薬に追加
中医協「第129回総会」
死因のトップは悪性新生物で3人に1人
厚労省「第17回診療報酬改定結果検証部会」
厚労省は5月26日、「がん対策推進計画」について、40都道府県が策定を終えており(4月14日現在)、そのうちがん死亡者の減少に関する国の目標値である「10年間でがんの年齢調整死亡率20%削減」を上回る計画が3件あったことを公表した。
都道府県が策定した「がん対策推進計画」では、富山県が「5年以内にがん医療専門コ・メディカルをすべてのがん診療連携拠点病院で増加させる」としたほか、静岡県では専門の看護師や薬剤師などを養成してがん診療連携拠点病院などに人材供給する「専門他職種レジデント制度」を創設するなど、先駆的な取り組みが示された。
中医協は6月4日の総会で、新医薬品13成分23品目(内用薬:8成分12品目、注射薬:5成分11品目)を了承した。薬価収載予定は6月13日。
これらの新医薬品のうち、アボット ジャパンの関節リウマチ薬「ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL」(一般名:アダリムマブ)を「在宅自己注射指導管理料」の対象薬剤に追加することを了承した。同剤は既存治療で効果不十分な関節リウマチに対する治療として使用するもので、40mgを2週に1回、皮下注射する。投与間隔が2週に1回であることから「“頻回”には該当しない」「医師が訪問診療した際に注射すべき」など委員からは反論も出たが、外来通院の困難な患者がいることへ配慮し、最終的に在宅自己注射対象薬剤への追加を決めた。
厚生労働省が6月4日に発表した「平成19年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」では、出生数は108万9745人(前年比2929 人減)、出生率(人口千対)は8.6(同0.1ポイント減)だったのに対し、死亡数は110 万8280人(同2万3830人増)、死亡率(人口千対)は8.8(同0.2ポイント増)が示された。死亡率トップ3は依然として変わらず、第1位が悪性新生物(全死亡者に占める割合30.3%)、第2位が心疾患(同15.8%)、第3位が脳血管疾患(同11.5%)だった。
心疾患で死亡率が高いのは心不全(同5.4%)や急性心筋梗塞(同3.9%)、脳血管疾患で死亡率が高いのは脳梗塞(同6.9%)、脳内出血(同3.0%)となっている。