2008年7月1日号
薬剤師の人員配置の適合率は90%超
厚労省「医療法第25条に基づく立入検査結果(2006年度)について」
薬局での後発品の使用割合は5.5%
厚労省「2007年社会医療診療行為別調査結果の概況」
終末期相談支援料を“凍結”
中医協「第130回総会」で答申
厚労省が発表した2006年度の「医療法第25条に基づく立入検査結果」によると、医療法に規定する薬剤師の人員配置基準に適合する病院は91.9%(前年度比1.2ポイント増)で、05年度に引き続き90%台だったことがわかった。看護師の適合率(98.5%)には及ばないものの、医師の適合率(85.0%)を大きく上回った。
ただ、近畿(96.6%)と北海道・東北(86.6%)では10ポイントの差があるなど、依然として地域偏在の傾向がみられる。
厚生労働省は6月20日、「社会医療診療行為別調査結果」の概況を発表した。それによると、全薬剤点数に占める後発品点数の割合は、前年を0.2ポイント上回る6.6%にとどまり、2006年4月の処方せん様式変更(08年度改定で再変更)は、使用促進策としては効果が薄かったことがわかる。薬局だけで見ると、後発品の割合は5.5%だった。また、薬局で後発品の薬剤点数割合が高いのは、ビタミン剤(16.7%)、循環器管用薬(16.0%)、消化器官用薬(14.9%)などだった。
同調査は、2007年6月審査分のレセプトを対象に診療行為や調剤行為の内容、薬剤の使用状況等を調べたもの。医科の薬剤料比率は、薬局調剤分を含むと前年比0.4ポイント増の29.0%だが、薬局調剤分を除くと21.2%で前年を0.5ポイント下回った。調剤薬局の薬剤料比率は、前年比1.4ポイント増の72.9%だった。
中医協は、6月25日の総会で、「後期高齢者終末期相談支援料」(以下、相談支援料)を7月1日から一時凍結することを答申した。これによって、7月1日移行は、相談支援料の算定ができなくなる。
相談支援料は、今年4月の診療報酬改定で新設された点数。終末期の診療方針などを医師や看護師、薬剤師らと患者・家族が十分に話し合い、文書等にまとめて提供した場合に、退院時(入院患者のみ)または死亡時に1回に限り200点を算定できるが、「本人が望まない告知をされる」などの本来の趣旨とは違った世論の批判が強かった。今回の答申はそれを受けたもの。
スタートしてわずか3カ月で、検証や議論を経ずに“凍結”を決めるのは極めて異例。中医協委員からは「(このような答申は)反対意見が出たら“凍結”という悪しき前例になる」「凍結が決まった形で議論を求めるのは押し付け」などの反発が出たが、6月6日に後期高齢者医療制度廃止法案が参院で可決されていることもあり、最終的には諮問通り答申した。
厚労省医療課では、議論を経て早ければ09年度から“解凍”したい意向を示している。