2008年8月15日号
t-PAに関する知識はまだ不足
ファイザー「脳卒中に関する意識調査」
社会保障に育児支援の充実を望む人が4割
厚労省「2008年版厚生労働白書」
老後のイメージは“年金生活”
厚労省「2006年高齢期における社会保障に関する意識等調査報告書」
ファイザーは8月4日、「脳卒中に関する意識調査」(n=4700人)の結果を発表した。同調査は、脳卒中の罹患率が高まる40歳以上を対象に、47都道府県から各100人ずつを抽出して今年4月に実施したもので、地域によって脳卒中に関する知識や理解、予防意識に大きな差があることがわかった。調査によると、脳卒中について、7割以上の人は「だいたいどのような病気か知っている」と回答したが、都道府県別にみると、秋田県(85.0%)と島根県(59.0%)では26ポイントの較差があり、脳卒中による死亡率が高い東北・北関東地方などで脳卒中に対する意識が比較的高い傾向があった。
また、新たな医療計画に脳卒中の医療連携における救急搬送体制が盛り込まれ、2008年度診療報酬改定では「超急性期脳卒中加算」が新設されるなど、t-PA(アルテプラーゼ)投与が可能な医療機関の整備が進められているが、t-PAに関する知識がある人は全体で19.3%、最も高い福島県でも30.0%にとどまった。t-PAを知っている人でも、発症後3時間以内の治療が必要であることまで知っている人は51.8%(全体の約1割)だった。
厚生労働省は8月5日、2008年版の厚生労働白書を発表した。2008年版は、「生涯を通じた自立と支え合い〜暮らしの基盤と社会保障を考える〜」がテーマ。「今後社会保障に係る給付と負担が増大していくことは避けられない状況」にあるとし、給付やサービスの見直しの必要性を強調している。
白書では、重要と考える社会保障の分野と今後更に充実させるべきと考える社会保障の分野について、複数回答で国民に聞いた結果を紹介している。それによると、重要と考える社会保障の分野は、「老人医療や介護」(56.6%)が「老後の所得保障(年金)」(72.0%)に次いで多かった。ただ、今後更に充実させるべきと考える社会保障の分野では36.5%に低下し、最多の「育児支援(保育、乳児医療、総合的な少子化対策など)」(42.7%)を6.2ポイント下回ったことから、高齢者に手厚い現行の仕組みを見直して少子化対策の充実を希望する人が多いことがうかがえる。
「年金生活になったら老後」と考える人が多いことが厚労省の調査でわかった。厚労省が2006年7月に実施した「高齢期における社会保障に関する意識等調査」(n=1万1086人)で老後の生活のイメージを聞いたところ、5割以上の人が「年金を受給するようになった生活」と回答した。また、老後の具体的な年齢は、「65歳から」(28.5%)と「70歳から」(32.8%)が多く、後期高齢者とされる「75歳から」も9.7%に上った。
人生の最期をむかえるときに生活したい場所としては、「これまで住み続けた自分の家」が28.2%で最も多いが、男性の60歳代、女性の40〜60歳代では「病院などの医療機関」がこれを上回った。