2008年9月15日号
17年連続で長野県の老人医療費が最低
厚労省「2006年度老人医療事業年報」
7割超が社会保障制度に不満
内閣府「社会保障制度に関する特別世論調査」
老老介護の世帯が6割弱
厚労省「2007年国民生活基礎調査の概況」
2006年度の1人当たり老人医療費が最も低いのは長野県で、最も高い福岡県とは1.5倍の較差があることが、厚労省がこのほどまとめた「2006年度老人医療事業年報」でわかった。長野県は17連続で1人当たり老人医療費が最も低かった。
一方、対前年度伸び率は、最も高かった和歌山県が2.9%増だったのに対し、岩手県と佐賀県では前年度を下回った。
現在の社会保障制度に対して国民の75.7%が不満を持っていることが、政府の「社会保障制度に関する特別世論調査」(n=1,822 人)の概要でわかった。調査は今年7月24日から8月3日にかけて実施したもので、「不満」40.1%、「やや不満」35.6%で、「満足」1.9%、「まあ満足」18.4%を大幅に上回った。
給付と負担のバランスについては、「社会保障の給付水準を保つために、ある程度の負担の増加はやむを得ない」が42.7%に上り、高齢者と現役世代の負担についても「すべての世代で支えていくべきであり、高齢者と現役世代双方の負担の増加はやむを得ない」が50.8%で過半数を占めた。社会保障制度の中で緊急に改革に取り組むべき分野としては、年金制度(63.9%)、医療制度(53.2%)、介護制度(49.9%)の順に多かった。
65歳以上の要介護者を60歳以上の同居家族が介護している老老介護は59.1%――。厚生労働省が9月9日に発表した「2007年国民生活基礎調査の概況」で、老老介護の世帯が増加していることがわかった。04年に実施した前回調査の55.9%と比較して、3.2ポイントの増加となった。主な介護者は、「配偶者」(25.0%)、「子」(17.9%)、「子の配偶者」(14.3%)の順に多く、前回調査で「配偶者」に次いで多かった「子の配偶者」よりも「子」が多くなっている。
居宅サービスの利用状況を見ると、76.4%が何らかのサービスを利用していたが、23.6%は、「家族介護で何とかやっていける」(45.8%)、「介護が必要な者(本人)でなんとかやっていける」(25.9%)などの理由で利用していなかった。少数だが、「他人を家に入れたくない」(6.6%)や「利用者負担が払えない」(3.3%)などの理由もあった。