2009年1月1日号
07年度に監査が実施された薬局は5件
厚労省「2007年度における保険医療機関等の指導及び監査の実施状況について(概況)」
信頼回復に向け、組織編成の見直し
政府「第5回厚生労働行政の在り方に関する懇談会」
価格妥結時期、大手チェーンが前倒し傾向に
中医協「第49回薬価専門部会」
厚労省は12月19日、2007年度の保険医療機関等の指導及び監査の実施状況の概況を発表した。それによると、07年度に医療機関や薬局から返還を求めた額は、対前年度2億1000万円増の約55億5000万円に上った。内訳は、指導による返還分が約23億6000万円、監査による返還分が約31億9000万円。
薬局に対する監査や指導の実施状況を見ると、監査は5件・13人。個別指導は1007件・1953人、新規指定個別指導は1707件・1953人、集団的個別指導の実施状況は2977件だった。
年金記録問題や薬害肝炎、長寿医療制度施行時の混乱などで批判が大きい厚生労働行政の在り方を見直す「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」(座長=奥田碩・トヨタ自動車株式会社取締役相談役)は12月15日、見直しの基本的論点と考え方を示した中間まとめを大筋で了承した。同懇談会は、福田元首相がまとめた「5つの安心プラン」の一環として政府内に設置されたもの。
中間まとめでは、これまでの政策立案は「限られた範囲の利害関係者間の調整に基づいた結果、場当たり的で、国民への説得性に欠ける内容となったものもあったのではないか」と指摘。その反省に立ち、「真に国民の求める政策の立案・実行を可能とするためには、現在の行政組織にとらわれず、国民的課題に的確に対応できる組織編成を検討すべき」とした。
なお、舛添厚労大臣は中間まとめを受け、翌16日に全部局のトップをメンバーとする「省内改革推進プロジェクトチーム」の初会合を開催した。
厚労省は12月17日の中医協・薬価専門部会に価格妥結状況調査の結果を提示した。
9月取引分は08年のみのデータだが、7月取引分と10月取引分については06年と08年とを比較し、妥結状況を比較。それによると、20店舗以上のチェーン薬局の妥結率は、<7月取引分>06年:8.5%→08年:30.4%(改善度:21.9ポイント)、<10月取引分>06年:14.4%→08年:68.9%(改善度:54.5ポイント)となっており、保険局医療課は「妥結状況の改善が見られた」としている。20店舗未満のチェーンを含むその他の薬局の妥結率も、7月取引分で3.7ポイント、10月取引分で18.8ポイント上昇した。