2009年2月15日号
次回実調は現行と決算データの2方式を実施
中医協「第26回調査実施小委員会」
1人当たり実績医療費のトップ地域は全国平均の1.8倍
厚労省「2006年度 医療費マップ(国民健康保険)」
トップは前年度と同じ福岡県
厚労省「2006年度 医療費マップ(老人保健)」
診療報酬改定の基礎データになる医療経済実態調査(以下、実調)について、中医協・調査実施小委員会(小委員長=遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は1月28日、次回調査は現行のアンケート調査に加えて1年分の年間(決算)データを用いた調査も実施することを決めた。その後はゼロベースで議論する。実調に関しては、定点調査ではないこと、客体数が少ないこと、6月に発生しない費用が推計値で記載される――などの問題点が指摘されていた。
同日の小委で山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)は、調剤については営利法人が多店舗展開をしているケースも多いため、決算時期のばらつきが大きく、年間(決算)データを使うことによって、かえって信頼性が薄まる可能性があると指摘。「個別の薬局の経営状況は現行調査の方が把握しやすい」とし、従来方式と年間(決算)データの比重に配慮を求めた。
厚生労働省は2月9日までに、2006年度の国保医療費マップをまとめた。医療費マップは1人当たり実績医療費と地域差指数を地域別にまとめたもので、地域差指数とは、年齢構成の違いによる給付費の高低の影響を除去して、各市町村の医療費を比べるための指標(全国平均が1)。
それによると、1人当たり実績医療費が最も高いのは、沖縄県の渡名喜村で71万5000円。全国平均(39万円)を1とした場合、渡名喜村は1.835だった。渡名喜村は地域差指数でも1.748でトップ。一方、最下位は小笠原村(東京都)の17万2000円で、対全国平均は0.441だった。
厚生労働省は2月9日までに、2006年度の老人保健の状況をまとめた。
それによると、06年度の都道府県別1人当たり老人医療費の全国平均は83万2000円で、対前年度伸び率は1.3%増。最も高かったのは前年度に引き続き福岡県で103万3000円、対全国比は1.241だった。
診療科別にみると、入院では沖縄県が59万3000円・対全国比1.437で最も高かった。一方、入院外では広島県が45万6000円・同1.192でトップだった。最も低かったのは、入院では対全国比0.778の静岡県、入院外では同0.839の富山県だった。