2009年11月15日号
40・50歳代男性の30%超が肥満
厚労省「2008年国民健康・栄養調査結果の概要」
社会保障給付費が初めて90兆円を突破
国立社会保障・人口問題研究所「2007年度 社会保障給付費」
薬剤師の病棟常駐が医療の質向上等に貢献
中医協・診療報酬調査専門組織「2009年度第12回DPC評価分科会」
男性の40.5%、女性の51.6%が体重を減らそうと思っていることが、厚生労働省が11月9日に発表した「2008年国民健康・栄養調査結果の概要」で分かった。それによると、すべての年齢層で男性より女性の方が減量に対する意欲が高く、低体重(BMI18.5未満)、普通、肥満(BMI25以上)のいずれの体型においても、女性の方が減量したいと考えている割合が高かった。
肥満者の割合は、女性が20.6%なのに対し、男性は28.6%。女性は年齢が上がるにしたがって肥満者の割合が徐々に高くなるが、男性は20歳代(14.6%)から30歳代(29.5%)にかけて急増し、40歳代、50歳代では30%を超えていた。これらの肥満者のうち、男性の29.8%、女性の20.4%は、体重を減らそうと思っていなかった。
2007年度の社会保障給付費は、前年度を2兆3207億円上回る91兆4305億円だったことが10月26日、国立社会保障・人口問題研究所の発表で分かった。社会保障給付費が90兆円を超えるのは初めて。国民所得に占める割合は24.40%で、前年度を0.54ポイント上回った。
社会保障給付費を「年金」「医療」「福祉その他」に分類した部門別にみると、医療保険や老人保健の医療給付、生活保護の医療扶助などが含まれる「医療」は28兆9462億円、公的年金や恩給などが含まれる「年金」は48兆2735億円、社会福祉サービスや介護対策に係る費用などが含まれる「福祉その他」は14兆2107億円だった。
機能別の分類では、これまでと同様に年金や介護保険などの「高齢」が45兆7900億円で最も額が大きく、次いで健康保険制度の療養の給付や自立支援医療費などの「保健医療」が28兆3993億円となった。
調査の詳細は、国立社会保障・人口問題研究所のホームページから見ることができる。
http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/kyuhuhi-h19/kyuuhu_h19.asp
この度、日本病院薬剤師会が実施した「DPC病院における薬剤師の病棟業務に関する実態調査(2009年7月)」の結果が、中医協のDPC評価分科会で示された。同調査は、09年5月時点でのDPC対象病院と準備病院を対象に実施したもので、有効回答数は1078病院(有効回答率69.3%)。
同調査によると、54.5%のDPC関連病院で病棟業務に従事している薬剤師がおり、8割以上の薬剤師が病棟業務に従事している病院は9.0%であることがわかった。100床当たりの病棟薬剤師数の中央値は0.80人だった。
また、医療の質や安全に貢献した事例として、医師の指示ミスを発見して医療事故を回避できた事例や、薬品ごとに術前の休薬日数をリスト化することによって手術前中止薬の休薬を確実に実施しているケースなどを挙げた。