2010年2月1日号
3タイプの初回質問票の様式例を公表
日本薬剤師会
新薬加算導入を了承、適応外薬解消へ取り組む
中央社会保険医療協議会薬価専門部会「2010年度薬価制度改定の骨子」
厚労省、新機序の糖尿病薬や新型ワクチンなど29品目を承認
厚生労働省
日本薬剤師会は、初めて来局した患者に記入してもらう「初回患者質問票」の様式例を作成。同会のホームページ上に掲載している。
日薬の出した様式例は、一般用、小児用、高齢者用と、年代別に3タイプに分かれている。様式例はいずれも、副作用歴やアレルギー歴、併用薬の有無、食事や嗜好品の傾向、後発品への変更希望があるか、お薬手帳を希望するか──といった基本的な質問項目が盛り込まれている。
小児用は、「お薬を飲ませる際に何か困ったことはありますか」という質問項目があり、「粉薬が飲めない」「錠剤・カプセルが飲めない」などの選択肢が挙げられている点が特徴。
高齢者用は、「お薬を飲むときに何か困ることはありますか」という質問項目に、「薬袋の文字が見えない」「手が不自由」「飲み方が分からない」などが選べるようになっている。
中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会は、薬価改定方式に「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の試行的導入を盛り込んだ「2010年度薬価制度改革の骨子」を了承した。
「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」は、新薬は原則、特許が切れて後発医薬品が発売されるまでは、一定の条件内であれば、薬価が維持され、後発品が発売された直後の薬価改定で大幅な引き下げを行うというもの。製薬会社は適応外薬の解消に力を入れることが条件であり、厚労省からの適応外の開発要請を受けても、1年以上治験に着手しないなどの企業については、全ての新薬に、加算を適用しない規定も組み込む。
現行の薬価改定ルールでは、2年ごとにほぼ全ての薬価が下がり、開発コストなどの回収に時間がかかり、結果的に革新的な新薬の創出や、適応外の承認への対応が遅れるなどの問題につながっているとされていた。骨子では、「特許期間中の革新的新薬の適切な評価に重点を置き、特許の切れた新薬については、後発品への置き換えが着実に進むような制度としていく」方向性を明示しており、その是正を目指す。
厚生労働省は1月20日、国内初となるGLP-1アナログ製剤やARBとカルシウム拮抗剤の配合剤、新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン2品目を含む、新医薬品29品目を正式承認した。
2型糖尿病治療薬ビクトーザ(一般名:リラグルチド)は、膵β細胞上のGLP-1受容体に作用してインスリン分泌を促進するGLP-1アナログ製剤で、日本初登場の機序だ。通常、GLP-1は細胞表面や血中に存在する酵素のDPP-4によって短時間で分解されてしまうが、同剤はGLP-1の構造を一部変更することで、血糖コントロールを保てるように開発された。
一方、国内では2番目となるDPP-4阻害薬となるエクア(一般名:ビルダグリプチン)も承認。こちらは、GLP-1を分解する酵素DPP-4の作用を阻害して体内のGLP-1血中濃度を維持し、インスリン分泌を促進する作用を持つ。
配合剤の承認も相次いだ。日本で初めてARBとCa拮抗剤の2つ降圧剤を配合した2剤(バルサルタンとアムロジピン、オルメサルタンとアゼルニジピン)など。
さらに緊急性がある医薬品について手続きを簡素化した、薬事法上の特例承認の規定が初適用された新型インフルエンザワクチン2剤も承認された。