2010年5月15日号
厚生労働省は、2010年度調剤報酬改定に関する内容を含んだ、疑義解釈資料を作成し公表した。疑義解釈資料はすでに2回作成されているが、調剤報酬改定に関する内容が示されたのは今回が初めて。
疑義解釈資料では、「特定薬剤管理指導加算」の対象となるハイリスク薬の範囲を、医療機関がハイリスク薬を管理指導した際に算定できる「薬剤管理指導料2」で示された対象医薬品の範囲と同じであることを示した。さらに、具体的な範囲について、不整脈用剤や抗てんかん剤について、それ以外の薬効分類に属しながら、不整脈やてんかんに対する効能を持ち、不整脈や転換の治療目的で処方された薬剤も含まれるとした。
また、「精神神経用剤」には、薬効分類112「催眠鎮静剤、抗不安剤」に属する医薬品と、薬効分類116「抗パーキンソン剤」に属する医薬品は含まれず、薬効分類117「精神神経用剤」に属する医薬品のみが対象となる。
さらに、一定の条件下で処方医への疑義照会なしに剤形変更できる例として、「先発医薬品(10mg錠剤・粉砕) 1錠」から「後発医薬品(散剤) 10mg」への変更も差し支えないとした。
厚生労働省医政局は4月30日付で、医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進を促す通知を発出した。通知は、昨年8月から今年3月に開催された「チーム医療の推進に関する検討会」(座長:永井良三東京大学大学院医学研究科教授)によってまとめられた報告書「チーム医療の推進について」の内容を踏まえ、現行制度の中で、医師以外の医療スタッフが実施することができる業務について整理したもの。
薬剤師については、薬物療法がますます高度化するなかで、薬剤師が薬剤の専門家として主体的に参加することは「非常に有益」と明記した上で、病棟や在宅で、本来薬剤師の仕事であるべき注射剤のミキシングや副作用のチェックなどを医師や看護師が行っている現状を指摘した。そして「薬剤師を積極的に活用することが可能な業務」として、以下の9つの業務を明示し、積極的に取り組むよう示した。
また、各医療スタッフからの薬剤に関する相談に、薬剤師が応じることができる体制の整備を求めた。
【薬剤師を活用することが可能な業務】
[1]プロトコールに基づいて医師等と協働で薬剤の種類、投与の量・方法・期間等の変更や検査オーダーを実施
[2]薬剤選択、投与の量・方法・期間等を医師に処方提案
[3]在宅を含めた薬物療法患者に対する副作用把握や服薬指導等
[4]薬物血中濃度や副作用モニタリング等に基づく医師へ薬剤の変更等を提案
[5]薬物療法の経過等を確認した上で前回処方と同一内容の処方を医師に提案
[6]外来化学療法における医師との協働によるインフォームドコンセントと薬学的管理
[7]持参薬の確認と医師への服薬計画提案
[8]定期的な副作用確認のための分割調剤
[9]抗癌剤等の無菌調製