2010年7月1日号
第1類OTC薬の説明をまったくしない薬局は約2割
厚労省、薬局・薬店への覆面調査結果による
昨年6月に施行された改正薬事法によるOTC薬の新販売制度の定着状況を調べるために、厚生労働省は、薬局・薬店に対して覆面調査を実施。6月18日、その結果を公表した。第1類OTC薬について、約5割の薬局が文書を用いた説明をしておらず、まったく説明をしない薬局が約2割もあることがわかった。
調査は、民間市場調査会社のインテージリサーチが、2010年1−3月に、全国3991店の薬局・薬店を対象に実施。調査員が一般消費者を装い、店舗状況や従事者の対応を調べた。
OTC薬の新販売制度では、特にリスクの高い第1類OTC薬の販売は薬剤師のみに限定されており、薬の効果や副作用について文書を用いた説明が義務付けられている。にもかかわらず、第1類OTC薬を販売している1949店中、適切な対応をしていたのは50.5%。文書を用いず口頭のみで説明したのは22.5%、文書を渡すのみだったのは7.1%。説明自体がなかったのは、19.8%にも上った。
また、従事者は名札を付けることも義務付けられたが、全員が付けていたのは62.5%、全員が付けていなかったのは28.1%で、現場で十分に定着していないことがわかった。
今回の調査結果をふまえて、厚労省は薬局・薬店への適切な指導を行う考えを示した。