2010年11月2日号
2009年の「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」年報まとまる
全国1774薬局が参加
日本医療機能評価機構は「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」の09年年報をまとめた。調剤に関するヒヤリ・ハット報告が9割以上を占めたが、疑義照会が1割弱であった。そして医薬品販売時の件数はゼロだった。
報告書では「薬効が類似している医薬品のヒヤリ・ハット事例は調剤経験が少ない職員だけではなく、調剤経験が豊富な職員など、幅広い職員に見られる誤りであると考えられる」と指摘した上で、「間違えた場合においても別の職員が誤りを発見出来るように手順を見直す必要がある」と言及した。さらに患者と共に薬を確認することに加え、患者本人による薬の確認が出来るように、お薬手帳などに薬の名前などを記載することも有効だと示した。
本年報は、1774薬局の参加薬局からの1460件の報告をまとめたもの。
「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」は2009年4月にスタートし、現在(2010年9月末)登録薬局が3183件に達している。
しかし、全国の薬局数約53000軒から見ると、まだ6%程度の参加割合であり、同機構では薬局における医療事故の発生防止を目的とする趣旨で多くの薬局の参加を呼びかけている。
ヒヤリ・ハットの報告はそれぞれの薬局において、その事例を整理しまとめることによって事実を把握する能力や報告する能力が高まり、薬局の医療安全推進につながるものと考えてられている。