2010年11月24日号
厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」は、11月4日に開催した第11回会合で、「精神病床における認知症入院患者に関する調査」の結果を報告した。精神病床に入院している認知症患者のうち、約6割は居住先や支援を整えても6ヶ月以内に退院の見込みがないことがわかった。調査は、2010年9月27日から10月4日まで調査票によるアンケート方式で。認知症治療病棟、精神病棟、老人性認知症疾患療養病棟の合計10病棟(9病院)から、454人の認知症患者を対象に行った。
調査結果によると、身体合併症を有する患者の割合は87%。身体合併症について「特別な管理(入院治療が必要な程度)を要する身体合併症がある」患者の割合は26%、「日常的な管理(外来通院が適当な程度)を要する身体合併症がある」患者の割合は61%だった。身体疾患に対する薬物療法を受けている患者は43.8%。
一方、現在の状態でも居住先や支援体制が整えば退院が可能な患者は、およそ20%。退院後の適切な生活、療養の場所には、特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホームがあげられた。退院後に必要な支援としては、精神科の定期的な通院、小規模多機能居宅介護、自宅を訪問して行われる支援、訪問診療、短期入所などがあがっているが、患者が退院できるために必要となる居住先や支援についてどうすればよいのかが、課題となっている。
薬学教育協議会が全国の薬系大学の2010年3月卒業の薬学生972人を対象に新制4年生の就職動向調査の結果をまとめた。
結果によると、972名(男663名、女309名)のうち最も多い回答は「進学」で、895名(男623名、女272名)の92.1%であった。2009年の旧制4年生の調査では進学率が25%であったのに対し、2010年の進学率はおよそ3.7倍にも増加した結果となった。
進学率を学校種別でみると、国立大学生が93.9%、公立大学が98.6%、私立大学が84.8%。
一方、就職した人は67人(男46名女31名)で全体の7.1%にとどまった。
就職先の内訳は、企業営業職が19名、次いで企業研究・試験・製造、他業種への就職が各8人だった。初任給については33名が回答、「20〜22万未満」が13名と最も多かった。