厚生労働省は、6年制新卒者初の薬剤師国家試験の結果を公表した。受験者数9,785人のうち合格者は8,641人で合格率は88.3%。男女別では女性90.9%、男性84.9%だった。合格率は、4年制最後の新卒者が国家試験を受けた2009年の74.4%に比べて15ポイント以上のアップとなった。特に6年制新卒者は95.3%と高い合格率だった。
大学別の合格率では、近畿大学(99.2%)、昭和薬科大学(98.1%)、武蔵野大学(97.6%)がベスト3で、就実大学、神戸薬科大学、大阪大谷大学、東邦大学が続いた。一方、東京大学(35.0%)、第一薬科大学(39.4%)、京都大学(62.8%)がワースト3だった。
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の要請で組織された「医薬品の安全で円滑な提供方法を考える有識者会議」(座長:横森豊雄関東学院大学経済学部教授)は報告書を公表。インターネットによる販売も含めた一般用医薬品の通信販売に関して、現行の薬事法では、原則として第3類医薬品に限られているが、販売時の条件を整備することで第2類医薬品まで許容されることが望ましいとした。背景としては、高齢で薬局などに出向けない、仕事があるので営業時間に間に合わないなどの理由により、多様な販売チャンネルが求められていることなどを挙げている。
販売時の条件としては、(1)初回は薬剤師や登録販売者による対面販売を行うこと、(2)電話やメールで相談に応じること、(3)営業する店舗があること、(4)店舗に陳列されている医薬品に限定すること、(5)販売記録や相談カードを保存しておくこと――などを挙げており、店舗での業務を補完する手段としての通信販売が望ましいとしている。
厚労省は、昨年10月、11月に登録販売者の研修実態を調査し、このほどその結果を公表。薬局などにおける登録販売者に対する研修の実施率や時間などにばらつきがあることが明らかになった。
調査では、登録販売者が勤務している薬局、店舗販売業、配置販売業1,911件が分析対象となった。研修の実施状況では、内部研修と外部研修の両方を行っているのは22.7%、内部研修のみが42.0%、外部研修のみが14.7%、両方とも行っていないのが20.6%だった。
研修時間については、内部研修では1〜4時間実施しているのが9.7%、5〜9時間が14.1%、10時間以上が40.6%、実施なしが35.6%とばらつきが見られた。外部研修では1〜4時間が7.3%、5〜9時間が11.2%、10時間以上が18.9%、実施なしが62.6%で、6割以上が外部研修を行っていないことがわかった。
これを受けて厚労省では、薬局などはすべての登録販売者に対して、年間12時間以上の外部研修を受講させることなどを示したガイドラインを都道府県などに通知した。